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だて金冠

お年寄りの前歯に金冠が入っていることがありますね。
開面金冠といって、真ん中に窓を開けて少し歯が見えるようになっているやつ。
最近はめったに見なくなったけれど。
あれって、どう思います?

いかにも年寄りらしく見える?

歯医者は、大概嫌な気分でそれを見るのじゃないかな?
外して見ると、全くなんでもない歯が出てくることが多い。
なんで、なんでもない歯にかぶせるのだろう。患者も変だけど、これをかぶせた歯医者は良心があるのか!
若い先生はそう思ったりしていませんか?


僕は、母に聞いたことがあります。
母は女子歯科医専門学校を卒業してから結婚前まで、隣町の遠別町で開業していました。
当時は戦時中で、開面金冠の依頼がとても多かったそうです。
”だて金冠”と云います。

「赤紙が来て、出征するまでの間に入れるのよ」
「親がコメを持ってきて、これで息子に金冠を入れてやってくれ、と言ってくるのよ」
「え、なんで?」
「あのね。軍隊に入ったら、横暴な上官とかがいていじめられたりするでしょ。水のみ百姓の貧乏人の息子だと思われたら、ひどくいじめられるのよ」

遠別町は日本のコメの北限で、私の住む天塩町以北は米がとれません。
当時はコメは配給制で不足していました。
本当に貧乏人の子はいじめられるのかどうかはわからないけれど。
農家の親が、戦地に行って死んでしまうかもしれない息子にしてやれることはそれしかなかったかもしれません。
軍隊は体一つで、歯以外にはなにも違いが無いのですから。

保険制度が無かったあの当時、金冠はステータスだったのですね。
このようなことは今も同じで、アメリカでは矯正はステータスだから、ワイヤーをとめるゴムに色を付けたりしてわざと目立つようにしたりしている。
最近はゴムで留めなくてもいい矯正装置も増えてきたが、患者の求めで”だてゴム”を付けてやったりしているそうです。
歯というものには、社会的な側面もあるわけですね。

母の話を聞いてから金冠に対する僕の印象はひっくり返った。
粗雑に扱えば、罰が当たるかもしれない。そんな感じ。

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昔の歯医者の思い出 | コメント(0) | 2010/11/05 16:56
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