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歯科医療の変遷と課題

歯科はむし歯の洪水という未曾有の災害と長期間格闘して、それをなんとか制圧できました。
それは、緊急災害出動であって、平時とは別の基準によって運営されていたはずです。
まず第一に、質より量。とにかく救援物資が行き渡らなければいけない。安価に供給して、多くの被災者を救う必要があります。そのために、国民皆保険制度が導入されるにあたって非常に低い保健点数設定がなされたし、安価な代用金属の開発や補綴物の導入がなされた。私より少し前の世代なのではっきりとは言えませんが、歯科医師会主導で脱保険とか、医師会では保険医総辞退とかいう運動があったようですからよほど非常識な押しつけであったのでしょう。たぶん、その問題を和らげるために差額徴収制度が出来て、それが暴走してあの忌まわしい差額徴収問題に至ったのでしょう。結局歯科だけが悪者になり、制度は硬直化してしまいました。そのため、世界中見渡しても日本以外見当たらないような奥歯の銀色の歯や、変色した前歯という副作用が残ってしまいました。副作用はそれにとどまりません。
 
やっと平時に戻ってみると、その未曾有の災害がいかに長期にわたる大災害であったかが分かります。
そして、あまりにもそれが長期間続いたために、歯科医も含めてそれが平時なのだと誤認していたようです。

この洪水災害による後遺症を上げてみましょう。
  ① 審美的な障害 世界中見渡しても日本以外見当たらないような奥歯の銀色の歯や、変色した前歯
  ② 歯科医の技量の格差 安価に行き渡らせるための低点数による質の低下
  ③ 予防の遅れ 手が回らなかった
  ④ 治療対象の偏り 虫歯対策に偏重してしまった。特に歯列不正、不正咬合の軽視
  ⑤ 医原病の問題 むし歯のつどの度重なる治療の結果、整合性がなくなって全身的に変調をきたす
  ⑥ 歯に対する価値観の狂い 安すぎる治療費の影響(現代社会はすべてをお金に換算する)
  ⑦ 歯科医の供給過剰 災害派遣隊の増派による

これらが、歯科界と患者さんに残された課題です。

だが負の問題ばかりではありません。
大量の治療による観察と、その治療の結果起きてしまった医原病による全身的な問題の研究が積み重ねられました。
その一つの到達点が大阪大学名誉教授 丸山剛郎先生による”全身健康顎位(からだによいあごの位置)”の発見です。それ以前には、実証性のある基準というものはありませんでした。
さらに、その少し前に構造医学の吉田勧持先生によって”機構平衡器(からだの平衡を取る仕組みを持つ場所)”としての下顎の発見がありました。
そして、これまで紹介して来たあごろべえ先生の発見がなされたのです。

その結果、新しい歯科医療が生まれました。
口腔機能の失調によって起きる”顎口腔機能失調症(主に平衡機能の失調による心身の病態)”の治療と予防です。
この新しい歯科医療によって、上記の④⑤⑥⑦は解決に向かうと思われます。

しかし、それには問題があります。
新しい歯科医療は現時点では医学的エビデンスの要件を充たしていないからです。
これについては以前「エビデンス」の題で書きましたが、簡単にいうと、その要件が薬理的、生化学的、画像診断的要件に偏っていて、力学的、物理的な問題や、科をまたいだ問題まで取り扱うことが出来ないのです。
実態が無いわけでなく、要求される証明が現在の科学水準では技術的に難しいということです。
そのために一般化するのに時間がかかると思われます。当分は歯科医と患者さんの個別な関係にならざるを得ません。

もう一つの問題は、日本がお手本としてきているアメリカにおいてかみ合わせと全身のかかわりは否定されていることです。
最近機会があったので、次回からは私が聞いたアメリカの歯科事情の話をしてみることにします。

 
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やじろべえ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/02 00:00
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