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将棋はテクノロジーの世界なので・・・ 永世7冠の言葉

羽生さんが今日、竜王を奪取して永世竜王の資格を得た。
竜王戦は、比較的新しい棋戦で名人戦のような伝統の重みは無いのだが、永世資格(引退後名乗れる名誉称号)を取ることが極めて難しい棋戦である。
普通は、通算5期で永世資格を取れるのだが、連続5期か通算7期というすごいハードルがある。
羽生さんは、6期目の後15年ごしの成就だった。
これで、永世称号を7つ。永世7冠王に成った。
歴史的な瞬間を見ることが出来たのは、将棋ファンとしてとてもうれしい。

今回の竜王戦の前、さすがの羽生さんも年齢による衰えが目立って、僕ら将棋ファンは心配した。
3冠を持っていたのが、王位、王座と連続失冠し、それも相当に有利なところから逆転負けしたりして、竜王戦の挑戦者決定3番勝負もヨレヨレでやっと挑戦者に成れた。
でも僕は、羽生さんが挑戦者に成った時点で、たぶん竜王を取れるだろうと思った。
それは、昨年のスマホ・カンニング疑惑事件という、将棋界を揺るがした騒動の発端の告発者が渡辺竜王で、その告発によって三浦挑戦者をを外して挑戦者を入れ替えるという、あり得ない非常識なことになった。
三浦九段の無実が証明されて、渡辺竜王は大変な逆境に立たされた。その逆風を跳ね返して昨年防衛したのは見事だったが、やはり、このようなことはボディブローとして効いてくるものだ。
元々、疑り深い陰湿な性格なのではなく、少しそそっかしい単純な性格だったので、文春砲と告げ口をする良からぬ人に引っかかってしまっただけだと思うが、あまりにも大事件になって方々に迷惑を掛けて、将棋界の評判を落としてしまった。
だから、今年はずっと不調で五割勝てていなかった。当然だろう。いつも、後悔が頭に圧し掛かっていたはずだ。
この失冠で却ってせいせいして復調出来るのではないか、と思う。
しかし、羽生さんの指し手は、見事だった。特に、今日のインタビューで印象に残る指し手を聞かれて、前局の6六飛を挙げていたが、とてつもない名手で、差された後にプロ棋士が誰も解らず悪手ではないか、という意見だったほどだ。コンピュータの評価値も急落して、ニコ生のコメントは悲鳴で埋まった。コンピュータも解からない手だったわけだ。

終局後の長い共同記者会見の最後の方で、表題の言葉を羽生さんが語った。
羽生さんが記者質問に答えて言った「将棋の本質」という言葉を、もう一度問われて答えた言葉だった。「将棋の世界は長い伝統を持つ世界なのですけど、盤上で起こっているものは、基本的にテクノロジーの世界で日進月歩なので、どんどんどんどん前に進んで行っているのです。だから、過去にこのような手が有ったというようなことはあまり意味がなくて、過去にこういう実績があったとか、ここで勝てたとかは盤上で意味があるのかと言えば、あまり意味がないのです。常にそういう最先端の所を探求していくという気持ちでいます。」

研究者というものは、常にそういうものなのでしょう。だからこそ、第一人者の地位を長く維持している。
あと、記者会見で感じたのは、天皇陛下のような雰囲気があった。
個人の偉業に対して質問されているわけなのに、その答えが将棋界を代表していて、己というものが希薄だ。
「将棋の本質」というものに対する求道者であって、かつ将棋界の発展を希求している。だから、自然に自意識が抜けていくように感じた。
日本の伝統は常に道を求めるわけで、天皇陛下のような無私の人になるのが完成なのだと思う。
ありがたいことだと思う。


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あれやこれや | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/12/05 23:54
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