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親切なおばちゃん

いわごろう先生の新築の歯科医院は、すべてが好ましかった。
いわごろう先生はメインを咬合育成・小児歯科に定めているようなので、正面の医院の看板に娘さんが子供の時に書いた虫歯予防デーのポスターの歯ブラシを持った顔がシンボルとして添えられている。
待合室の壁も虫歯予防デーのポスターをプリントしたかわいらしい壁紙で、その壁に犬小屋の入り口のようなトンネルがあって、這い這いして子どもが診療室に出入りすることが出来る。

僕を診察して出来たスプリントを入れたら、治療椅子から立たせて少し離れたところからじっと僕の頭位や姿勢や重心バランスや表情を観察する。
そして、小首を傾けて「どうですか?」と聞く。僕が答えるのを待っている目が生き生きしている。
メリーポピンズのジュリーアンドリュースが、子供たちが何かおしゃべりするのを楽しみに待っている感じだ。
どんなことを言うのか、変わったこと、突拍子もないことを言い出すのを待っているような眼をしている。そしてきっと、顔を見合わせうふふと笑いあうのだろう。
僕を観察して感想を聞いて、少し調節するとまた立たせてみて、うん、よくなったね!と満足そうににっこりする。

僕が子どもの患者だったら、スキップして歯医者に通うんじゃないだろうか?
最新設備が揃っているがそれじゃなくて、親切なおばちゃんが楽しくお話を聞いてくれて、一緒に笑いながら歯も治してくれるという感じだ。
子どもの意見に従って治療するの。ここを足してとか、この歯はまだ抜かないでとか言うので、その通りにすると、その子にはそこが必要な時期だったということが分かるんですよ。

あるおばあさんに、どうですか?と聞いたら、それを決めるのがあんたでしょ。赤い紙を咬ませてそれで判断するのがあんたの仕事じゃないのと怒られました。そのおばあさんは、それっきり来なくなりましたと、楽しそうに笑って言う。
自分のスタイルを作り上げていることを、キッチリ自覚している。
診療室に絵や写真が飾られているが、患者さんが自分の作品を持ってきて飾って、定期的に変えていってくれるという。絵と写真は別の人らしい。
誰でも仲間に引き込み、ファンが多いことがうかがわれる。
このメリーポピンズのような包容力のある、余裕あふれるおばちゃんには、どの歯医者もかなわないだろう。


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いわくま塾 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/11/15 00:00
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