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アメリカの歯医者 4

どうも、僕のアメリカの歯科事情の説明に悪意のようなものを感じなかっただろうか?
実は、かなり反感を持ったのだ。いくら儲かっても、そんなやり方や患者さんとの関係はいやだな。

でも、時間が経つと共に、考えが変わってきた。
僕の町は田舎だから患者さんはみんな紳士だけれど、都市部ではすごい患者さんも多くなってきているとのこと。
日本自体がアメリカナイズされてきているのだから、時間の問題かもしれない。
自己責任の意識が薄いだけにかえって手に負えないことも考えられる。
まあ、これは歯医者の勝手な考えで、患者さんにしてみれば何をほざいているということになりかねないのでこのへんにする。

そんなことではなくて、きわめて厳しい診断基準について考え直した。
やはり、なんといってもその治療費の金額だろう。
奥歯の神経を取って冠を被せたら、$2000にもなるという。
ところが、一番一般的な保険の年間治療費の支払い限度額が$1500ぐらいなのだという。$500足りない。
たった1本の歯の治療費が年間の保険支払い限度額とほぼ等しいとなると、患者さんも、保険会社も、歯医者も厳しくならざるを得ない。治療するからには、長期間もたなければいけない。だから、診断基準が厳しくなるのだろう。
翻って考えてみると、日本で同じ治療は2万円ちょいぐらい。10分の1。自己負担3割だと6~8千円ぐらい。だから、本当は抜いたほうがいい、どう頑張っても2~3年しかもちそうも無い歯に、ただ患者さんの未練を断ち切ることが出来なくて延命治療をしてしまうこともしばしばある。無責任になってしまう。
歯というものは、きわめて大切な貴重なものだから、本来このぐらい厳しい考え方でなければいけないと思う。

だから、予防とメンテナンスは真剣だ。
ようするに、歯科疾患は生活習慣病なのだから、患者さんが自己責任を放棄してガタガタになったのを莫大な時間をかけて治すのか?
予防とメンテナンスに資源を投入して、そうならないようにするのか?

やはり、後者の方が合理的でどう考えても正しい。
このようなコンセンサスが成立しているのならば、金がないから抜くというのも仕方がないだろう。
アメリカの保険はほとんど予防を基準に給付限度額の基準が出来ているようだ。

だから、患者さんは治療は小さな虫歯をつめるぐらいで、あとは給付限度まで予防指導と、メンテナンスを毎年受けるつもりなのじゃ無いのかな?
歯科医は、困難な治療ではなく、心から患者さんの歯の健康に力を尽くすことが出来るのだ。
毎年定期的にメンテナンスしていれば治療が必要になるだろう時期もある程度予想がつくだろう。
その時に、しっかりと計画を立てて治療するのだ。
割と良く機能しているように考えるようになった。

でも、それは中流階級までだろうね。
案外、それによってアメリカは歯医者がブランドを保っているのかもしれない。
きれいな歯ときれいな歯並びは、健康なイメージと、ある程度階級の象徴。格差の大きい社会だからね。
韓国もそのようだ。美容整形大国で有名だが、矯正大国でもある。韓流の女優のほとんどは矯正しているといわれている。
僕の母校の神奈川歯科大学は、学生確保のために韓国からの留学生を誘致することになった。
韓国では偏差値が高いトップクラスの生徒は歯科大学を目指すのだそうだ。昔の日本のようだ。
私の母校では、留学生を徐々にアジア全体に広げる予定のようだ。
日本の歯科大学に留学するためには日本語学校で日本語を学ばなくては無理だし、円高の現在では恐ろしいほどのお金がかかる。それでも、歯科医になりたい。なった方が得だと考えられているようだ。
つまり、歯科に人気が無いのはどうやら、日本だけのようだ。
日本で起きている歯科の状況は、むし歯の洪水の災害対策による野戦病院的な過去の歯科のイメージと、その後は保険の低点数による経営のためのやむない大衆路線によるブランド力の喪失なのだろう。
つまり、国民皆保険に協力して、国民の健康・福祉のために日本の歯科医が払った尊い犠牲なのだと思う。
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あれやこれや | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/22 00:00
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