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キレてしまった 反省

昨日、こんなことがあった。

 患者さん:この前入れた歯がひびく、痛い。先にこの歯の治療が大丈夫かどうか見てほしい。
 私    :   ・・・。
 患者さん:治療した歯が痛いんだから、責任を取って!
 私    :何度も言ってるように、それは出来ない。
 患者さん:治療してくれないんなら、他の歯医者に掛かる。どうなの?
 私    :好きにしたら!
 患者さんは、憤然と席を立って帰った。

あ~ついにキレてしまった。歳のせいか、最近キレやすい。
あと少しまで来ていたのに・・・若いころは、もっと我慢したんだけどな~

この患者さんは70歳ぐらいの女性で、ご主人に運転してもらって近くの町から来ていた。
主訴は、右上の4が咬めない、痛いというもの。
他院で右下にブリッジを入れたら高かった。その歯医者に高いと言ったら、ブリッジの方ではなくてこの歯を削られた!
そうしたら、上手く咬めなくなったし、歯ばかりか顔や頭まで痛くなってきた。と言う。

見ると、がばっと削ってあって、削った分空いている。
上の奥歯は左右の4しか無くて、そこが片側咬んでいないわけだから具合が悪いのは当たり前だ。
それで、冠を外して仮歯を入れながら根の治療をして、最後に被せた。
その治療の間中、奥歯が左右1本ずつだけじゃ本当の歯の高さは分からないから、被せた後は入れ歯を入れて全部の歯がある状態にしてから冠の高さを調整しましょうねという話をした。
それは、治療の間ず~と少し高いとか低いとか当たるとか言い続けたからだ。
そして、冠を被せて入れ歯の型を採ろうとしたら、入れ歯じゃなくてこの入れた冠が少し高いと思うから削ってくれという。

僕は、ず~っと説明してきたように左右1本ずつの奥歯では高さが分からないから、入れ歯を入れて全部の歯が揃うとその歯の本当の高さが分かるから、その後調整しましょう。そうでないと、この前の冠のように低くなってやり直しになりますよ。と説明したが聞く耳を持たない。
それを何度か繰り返して、やっと入れ歯の型を採った。
すると、2か月ぐらいしてから、やはり歯が高くて具合が悪いから、削ってと言っててきた。
そして、同じことを言っていると、だんだん言い方がキツクなってきて、終いに責任を取れ、他の町の歯医者に行こうと思っていたが、もう一度来てやった。というように、エスカレートしてきて僕がキレるように挑発してくるのだ。
それで、ついにキレちゃったというわけなのだ。

要するに、絶対に入れ歯を入れたくないのだ。
それは分かるが、それでは治療できない。
とりあえず、何とかなだめて入れ歯を入れたなら、入れ歯を入れたときと外した時を触診で示して入れ歯のありがたさを教えてあげると、患者さんは悔い改めて必ず入れ歯を入れるようになる。
何人もの患者さんで経験しているから、それには自信があった。

その直前、今日咬み合わせを採ったら、この次には入れ歯が入る。やっと、ここまで来た。というときに、強硬に抵抗して挑発が過激になってきたのだ。
それで、つい、キレてしまった。

今日になって、そうか!なるほど。と納得したことがある。
患者さんはよく、どこどこの歯医者で、もうこれ以上出来ないと言われて治療してくれなかった。というようなことを言う。
そんなことを言う歯医者が居るわけないだろうと思って聞き流していたが、結局上にやり取りを書いたように、治療を拒否したと同じことになってしまった。
そのような患者さんは、歯医者に自分の望まない治療を説明されて、そうしないと主訴の症状は治らないと言われた時に、このように挑発したりして、歯医者に治療拒否されたという形を作り出して自分の責任から逃れようとすることがあるのだろう。
日本人は個人主義に成り切れないので、自分でその治療を拒否することができない人は、何とかして歯医者の方に責任がある状況を作り出さないと転医することが出来ないのかもしれない。
無意識のうちにわなを仕掛けて、それに僕がまんまとハマったのかもしれない。
この患者さんは次の歯医者に行って、痛いと言っているのに治してくれなかった。と訴えるだろう。
そして、終いに削り過ぎて➡削られて具合が悪いのにこれ以上出来ないと治療してくれなかった。と、次の歯医者に言うことになる。

もう、かみ合わせを採るだけだったのだ。
あなたのお話しは、ゆっくりよく聞きましょう。でも、今日予定している治療は10分で終わりますから、その後お聞きしましょう。
あの時、なぜ、そう言えなかったのか?
入れ歯を入れなくても、かみ合わせを採った状態は入れ歯が入った状態と体に対する作用はほぼ変わらないから、そこで触診してよく説明したらたぶん体で理解できたはずで、それでこの患者さんの全ての問題が解決したかもしれないのに・・・
短気は損気。あ~あ。


どうも、気が短くなってきた。歳のせいだろう。
この前も、東京の集まりの後ダンディな禅坊主先生と議論になって、キレてパワハラをして帰って来てしまった。
ごめんなさい。

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入れ歯とのくらし | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/03/31 19:55
コメント
No title
こんばんは

夕焼け院長、それは大変お疲れ様でした。
ず〜っと根気よく説明されてたんですものね〜
*自分は悪くない、悪いのは誰かで絶対の自分の非は認めない、誰かに陥れられたという形を作り出して、自分の責任から逃れようとする→人格障害かもしれないですね。
その人、違う歯医者に行っても、治らないのではないですか?素直にならないと、良い状況にはなりません。もう少しだったのに損な人です。今ある歯も失って、総入れ歯になるかもしれません。

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