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ローリング偏位とピッチング偏位

みなさん、分かりましたか?
僕もついこの前まで、このような微妙なバイトの狂いというのは、テクニックエラーで仕方がないものだと思っていた。
印象材の材料的問題とか、フラビーガムの加圧変形とか、模型のアンダーカットのブロックアウトの過剰による基礎床の回転だとか、ロウ提の軟化のアンバランスとか、よく言われるレジンの重合変形だとか。
そのような小さな狂いの集積で、顎位は合っているんだが咬合紙の抜けがそろわなくて、全体が咬むようになるにはある程度の調整が必要なのだろうと思っていた。
局部義歯では、残存歯と粘膜との被圧偏位量の問題があるので、今でもそれは変わらない。
しかし、顎位を大きく間違えて、人工歯の付け替えをした後はピッタリ合って、咬合調整は必要なかった。
だから、レジンの重合収縮のようなラボサイドのミスではない。ラボは、もう一度咬合器に付けて咬合調整してくるから、入れ歯を手に持って合わせてみて、カタカタするようなことは皆無だ。
僕のテクニックエラーだと思っていた。

スウィングキーパーDの術式2
  この図は、日の出の先生が作って、僕たちの本に載せたものだ。

丸山先生の顎位のローリング偏位とピッチング偏位の発見と、その臨床的制御法の確立が、その後のあごろべえ先生の爆発的な現象の発見と治療法の創造につながった。
このあごの骨の模型を吊り下げた写真のように、顎位には、位置の他に傾きという2つの要素がある。
この、ローリング偏位とピッチング偏位という概念は、歯科界ではほとんど知られていないのではないか?
矯正のセファロ分析のスケレタルパターンのハイアングル・ローアングルの分類ぐらいで、骨格性だけの問題とされている。
それを、丸山先生は顎偏位として捉えなおして、その偏位をわずかに修正する術式を確立した。
そのほんのわずかな修正によって、患者さんの全身症状は大きく改善したのだった。
「丸山咬合療法」というのは、このローリング偏位とピッチング偏位の微修正に他ならなかった。

その微修正は、つま楊枝程度のスティックを診断に基づいて位置を工夫して咬むだけで簡単にその場で出来る。
その瞬間に、ほとんどの症状は解消した。しかし、スティックを外すと、即座に魔法は解けて元の木阿弥になる。
その後、MPAというスプリントで、3~4か月その顎位を保つことによって、その顎位を筋肉位として定めて、その筋肉位に基づいて補綴するというのが、治療法だった。
この治療法は、よく考えてみると、現在義歯の大家と言われている先生たちが推奨する術式と類似性がある。
治療用義歯を作ったり旧義歯を改造したりして、望ましい顎位の入れ歯を試行錯誤してまず入れてみる。
そして、試行錯誤してごちゃごちゃと汚らしくなったものを、新しくかみ合わせを採って作り直したら、完璧な顎位の入れ歯が入るということだ。

ここで、ただスティックを咬むだけで簡単に修正できる顎位が、なぜ3~4か月それを保つスプリントを入れなければ筋肉位として定着しないのかを考えてみると、顎位だけ変えても、歯が昔の顎位に調和して並んでいるのでスウィング干渉は直らないということだからだ。
そう考えてみると、顎位はスウィング干渉が無ければ、自然にいい位置に定まる。
以前書いたことがあるが、総義歯を無くした患者さんは、僕の経験では100%無調整に近く入る。スウィング干渉が無いからだろう。
治療用義歯が必要なのは、ロウ提そのものがスウィング干渉の塊なので、旧義歯の顎位の幽霊から逃れられないからだ。
その顎位とは、位置だけじゃなくて、ローリング偏位とピッチング偏位も含む。

スウィング現象の発見というのは煎じ詰めると、顎位は結果で、スウィング干渉が原因だという発見だった。
だから、スウィング干渉が全くない配列で仮床試適すると、例え旧義歯に誘導された顎位で咬合採得されていた幽霊が取りついている顎位であっても、それはスウィングの軌跡の中にあるのだから、リマウントバイトを採るときには自然に生理重力下顎位方向に修正される。
それは、位置だけでなく、傾きも修正されると思われる。だから、調整不要になるのだろう。
つまり、小さな誤差の積み重ねで微妙にずれていて、そのために調整が必要なのだと思っていたのは実は違っていて、ローリング偏位とピッチング偏位が残っていたわけなのだ。
総義歯は究極のスプリントだから、スウィング干渉が無い適切な顎位ならば、入れた瞬間から筋肉位は修正されて、旧義歯の幽霊は成仏して出ていってしまうことになるというわけだ。


かっしー先生の報告は、すごいことを示唆していますね。
僕は、総義歯の配列を技工士が改良してくれた結果を何か月か考えて、それを書いているわけだから、ブリッジの咬合調整までは思いいたらず、咬合調整後にスウィング干渉を調整していた。
言われてみると確かにそんな気がする。先に、スウィング干渉を調整すべきだ。
バイトを採るときには支台歯形成してからだから、スウィング干渉は無い状態で採られている。
出来たブリッジのスウィング干渉で顎位がローリング偏位とピッチング偏位して高くなっていることは十分あり得る。
とすれば、恐ろしいことだ。
僕も、これからはそうしてみます。
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入れ歯とのくらし | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/07/26 00:00
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