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DTT かっしー先生に答えて 

かっしー先生から、DTTのビニールフィルムの材質に対する質問をいただいた。
レジ袋もしくはそれに類した薄いビニールフィルムを咬合紙のように短冊に切って用いるものだ。
電話で答えたけれど、これは、このブログの読者のみなさんにもお伝えすべきことだと思ったので、詳しく解説したい。
何のことを言っているのか分からないだろうから、まずは実際を見ていただくことにしよう。
義歯のDTT
ただ見ただけでも分からないよね。
このテストのウエットティッシュとビニールフィルムは、丸山先生が考案したものを名称を一部変えて、定義も変更したものです。
フィットチェッカーは、私が加えたものだ。

具体的に説明していこう。
入れ歯を入れたときは、出来るだけ翌日に来ていただく。
それは、入れ歯はプラスチックだから硬い。入れ歯が乗っかる歯ぐきは粘膜だから薄くて柔らかい。その下は骨だから硬い。
ちょっと1点かみ合わせが高かったり入れ歯のへりが長かったりしたら、入れ歯が傾いたりへりがくいこんで、柔らかい粘膜がプラスチックと骨との間でこじられて痛くてたまらない。
何日も置いたならば、患者さんはかんかんに怒る。
そのようなトラブルを起こさない方法が、このデンタル・トライボロジー・テストだ。
術後の状態をシミュレーション出来る。

まず、真ん中のビニールフィルムから説明する。
この症例は、上下の奥歯に入れ歯が入っている。
仮に、入れ歯の床の下の粘膜が、右下の顎堤の内側が当たって痛かったとする。
これは、通常左のかみ合わせが高い時の症状だ。
高い側が咬んだ時に押し下げられて少し粘膜の中に沈むと、反対側が連動して浮き上がる。
船が横揺れするときのようなものだ。入れ歯は、粘膜の海に浮いている。
入れ歯はシーソーと同じだから、押し下げられた側よりも、反対側の浮き上がった側の方が大きく位置がずれる。
すると、そちら側の顎堤の内側の横腹に当たることになる。
しかし、赤い紙をカチカチして調べてみても、高いのかどうか良く分からない。そんなことは、よくあることだ。
その時に、高い側にビニールフィルムを咬ませると、反対側の当たりの痛みが和らぐ。
肩を触診するとこりが取れる。フィルムを外すと、またこる。
これは、やはり左側のかみ合わせが高かったということを表している。
逆に、ビニールフィルムを咬んだら肩がこって、外すとこりが取れるならば、ちょうどピッタリの高さで、削って高さを減らしたら合わなくなるということを示している。

なぜなら、ビニールフィルムを咬むと本当は高さは増しているのだが、ツルツル滑って潤滑が良くなる。
すると、体は低くなったと認識するので、当たりが取れたり、肩こりが取れる。
それで、ああ、やっぱり高かったんだ、ということが解るということなのだ。

ウエットティッシュはその逆で、低いかな~という側に使う。摩擦抵抗を増すことで、逆に作用する。
ウエットティッシュを咬んで肩こりが取れたとすると、しまった。削りすぎて低くなった。どうしよう?となってしまう。
フィットチェッカーは、あごが減って入れ歯の適合が悪くなった状態を調べる材料だが、その時に肩の触診をして作り直す必要があるかどうかを判定するテストだ。これは、入れ歯にだけ使うテスト。
こりが取れなければ作り直す必要がある。少しぐらいではなく、相当に合わないことのしるしだ。
逆に、こりがそれで取れたなら、入れ歯の内面にプラスチックを足したり、かみ合わせを直して済むことが判定できる。
顎堤の吸収や人工歯のスウィング干渉などによって、わずかに入れ歯が回転したりしているのを、粘膜と床との間の潤滑をコントロールして本来の位置に戻すわけだ。
だから、本来の位置に戻ってもこりが取れないようであれば、もうだめだとなるわけだ。

この不思議な現象は、歯の歯根膜感覚を騙すことによって生ずると説明されていた。
歯根膜は、それほど鋭敏な感圧センサーなのだ。という説明。なるほど。
しかし、ブリッジなら歯が有って歯根膜があるからそうだが、歯が無い入れ歯でもインプラントでも同じように反応する。
歯根膜が無いのに、おかしい。
みなさん、その理由が解りますか?

二重ヤジロベエモデルの、立体ヤジロベエが、頸椎の止まり木にチョンと乗っている図をもう一度見てください。
あれは、天秤ばかりなのが解るでしょう。
ゆらゆらしていて、例え綿毛を載せたとても天秤ばかりは傾くはずだ。
あのあごのヤジロベエの上には頭があり、その頭の傾きは、重量不均衡として肩や首の筋肉に負荷をかける。
それを触診すれば、その頭位不良を判定できて、その原因であるところの頭位を定める天秤ばかりの基準の狂いが解る。
そして、その基準の狂いをもたらす、かみ合わせの問題が解る。

デンタル・トライボロジー・テストという。
歯科・潤滑・テスト。潤滑とは何なのか?
物体には慣性の法則が働いていて、宇宙空間のようなところでは一度力を加えれば永遠に同じ方向に同じスピードで運動する。
地上では重力があるのでそうはいかない。物体には重さがあるから落下する。空気やその他の抵抗が大きく作用する。それは摩擦抵抗だ。
ビニールフィルムが乗っかっても重さは増すはずだと思うが、カーリングを見れば解るが、重いから動かないのではなくて、ほうきのようなもので氷を擦って表面を溶かして潤滑をよくすれば、滑りが良くなって距離が延びる。
かみ合わせが高いということは、あごのヤジロベエが頭によってより押し下げられている(この観点は歯科界には無い。あごろべえ先生の解析を知らなければ、いつまで経っても分からないと思う。)わけだから、そのやじろべえが元に戻ろうとしている方向の潤滑をよくすれば、カーリングのストーンと同じ現象が得られるということだ。
摩擦抵抗を減らすか、増すか、一体化してしまうかによって、慣性の法則をコントロールするということなのだ。

風が吹けば桶屋が儲かるほどの普通なら分からないつながりだが、2人の天才が、その現象の臨床的な発見と理論付けをして、歯科診療で一番確実な診査法を確立した。
これを使えば、入れ歯だろうが、ブリッジだろうが、インプラントだろうが、咬合調整する前に結果が分かるので、現時点では日々の歯科臨床に使うことが出来る一番手軽で確実な咬合診査法だと思う。
ぜひ、臨床で活用してほしい。
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やじろべえ | コメント(2) | トラックバック(0) | 2015/07/05 00:00
コメント
No title
夕焼け先生、詳しい解説ありがとうございます。
とても解りやすいです。
さっそく義歯調整にも活用してみます。
No title
顔写真の変更をお願いいたします。

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