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マーケットと、仲人のおばちゃんの哲学

入れ歯とのくらしというのは、気の進まない結婚なのだ。

そもそも、最初の出会いが幸せではない。
見合いしてみたら、はげでちびだった!という感じで始まる。

僕は、結婚してみて困ったことは、隣に寝ている奥さんが“いずい”ことだ。
この、いずいという言葉は、北海道弁なのだそうだが、居心地が悪い、気持ちが落ち着かないなどと訳されているが、要するに、違和感がある。ということなのだ。
女はすぐに愛してないからとか責め立てるが、20年以上も一人で暮らしていたのにいつも隣にいるのは、望んでそうしたわけだけれども、やはり“いずい”。
慣れるまでに、かなり時間を要した。

入れ歯も同じだ。いずい。
まして、美男子じゃなくて、はげでちびにしか見えない。
だから、周りを固められて、仕方なく結婚する感じと似ている。
気持ちは納得していないのだが、先生から論理的に説得されて折れた。
結果的に、成田離婚が相当の頻度で起こる。
というよりも、最初のはげでちびの入れ歯とは、ほとんど1年も経たずに離婚しているのが普通ではないだろうか?
まだ十分若くて美しい私と、釣り合いが取れないのだ。
はげでちびと一緒にいるだけで、私の値打ちが下がる。だんだんそう思いつめてくるようになる。

僕の入れ歯の診療もそうだった。
はげでちびな最初の入れ歯、片側遊離端67欠損(片側の奥歯2本)の入れ歯は連戦連敗。
一年後にたまたま患者さんが来院した時に、そのはげちびを入れていたのは5割に満たなかった。
仕方なく、患者さんに迎合して、6番1本の延長ブリッジなんかもいれた。

今はもうそんなみじめなことは無い。
1年後の打率は、10割とはいかないが、9割には達している。
6の延長ブリッジを見たら、これは体に悪いから、削り取って入れ歯を入れましょう。と説明している。
あのおばあさんのピッタリ合っていてなんでも咬める入れ歯を作り直すのと一緒だ。

それは、何のために歯を治すのか?という根本の哲学が替わったからだ。
だから、患者さんに納得してもらえる。

歯科はサービス業で患者さまと言うのがはやりらしいが、お客様のニーズに合わせて治療するからだろう。
はげちびのニーズはせいぜい2割だ。
以前、山崎長郎という審美歯科の有名な先生が、定期的にアメリカに行って新しい治療法を学んでくることにしているようなのだが20~30年前にアメリカに行ったときに、それまで動揺歯なんかも連結固定した歯周補綴で出来るだけ保存するのが主流だったのが様変わりして、どんどん抜いてインプラントになっていたのに驚いたそうだ。
聞くと、「それはマーケットのニーズだ。」と言ったそうだ。
私は、それを聞いて感激した!と彼は言っていた。
これが、サービス業なのでしょう。
ニーズに合わせる。

しかし、仕方なくでも結婚したら、それなりに幸福がある。
それを、昔の仲人は一生懸命に説いて、カップルを成立させてきた。
いま、日本が少子高齢化に苦しんでいるのは、そもそも、おせっかいでおしゃべりで人がいい仲人のおばちゃんがいなくなったからだと思う。
口から生まれたような西洋人と違って日本人は、時代が変わってもそう簡単に口説いたりできないタイプが多い。
グローバルスタンダードのマーケット至上主義になったから、このようなことになった。
マーケットの前で立ちすくんでいる気の弱い男が多いのではないか?
仲人のおばちゃんには、確固とした結婚と人生に対する肯定的な哲学があった。
いま、僕たち団塊以降の世代は、あのおばちゃんたちの哲学を学ばなければいけないな~
結婚ばかりじゃなくて、歯科を含めてすべてが、昔のおばちゃんに学ばなくてはいけない。そうでしょう?
最近は、下手に仲人口をきいて後で離婚して恨まれたら困る。ぐらいのよそよそしい感じなのじゃないか?
歯医者と患者さんも、そういう関係なのでしょう。




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入れ歯とのくらし | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/02/23 00:00
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