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装着調整 顎位

僕は、一発仕上げにこだわっている。
その理由は、以前示した。
しかし、正直なところ無調整で、一発で完璧な義歯を入れることは出来ない。
今はやりの2発仕上げなら、もしかしたら可能かもしれない。
でも、時間と手間を考えると、装着時の無調整にこだわるとその何倍の時間がかかることは明らかだ。

先々週、私よりも15歳若い女性の総入れ歯を入れて、火曜日がが調整の2回目だった。
装着当日は、ほんのちょっとだけ咬合調整した。
右下がりの顎位だったので、わずかに右の咬合が高い傾向があって、右の臼歯を全体にほんのわずか咬合調整した。
翌日は、舌小帯の近くに少し横に小帯があって、それを少し調整した。
2回目は、頬側に辺縁が長すぎたところを調整した。
このように若くて、入れ歯が壊れたので作り直すだけなんてときには、ホイホイでOKだ。
ほとんど、床縁の調整だけで終わる。
でも、こんなに若い総入れ歯の患者さんなんてほとんどいない。

普通はそんな簡単にはいかない。
装着日に、ある程度の咬合調整が必要だ。
僕は、最初にプログレス100という100ミクロンの咬合紙を使う。
それは、以前書いたように、和紙の咬合紙のように人工歯に着いた色の面積で調整量が分かるので大変便利だからだ。
その後で、普通の赤い紙で、咬合紙の色の抜けを見て調整する。
大概は、前後か左右の傾きの調整になる。
顎位の位置のずれというのは、ほとんど無くなった。
それは、最初からどちらに顎位がずれているかが分かっていて咬合採得しているからだ。
以前は、チェアサイドでの調整では済まなくて、塩田先生みたいに完成義歯をリマウントして咬合調整や人工歯の付け直しをしたことがよくあった。
位置のずれがあると、チェアサイドでの調整では済まなくなる。
正中もずれてしまう。

顎位というものは、大きく分けると2つに分類できる。
位置と傾きだ。
ふつう、歯医者は顎位の傾きという概念を持っていない。
この傾きを分析して臨床応用したのは、丸山先生だ。
スウィングキーパーDの咬合採得の弱点は、傾きの制御があまいことだと思う。
位置は確実に採得出来るが、傾きに関しては一定期間の装置による顎位の維持が必要なようだ。
しかし、装着したとたんに傾きが影響してくる。
だから、咬合紙の圧痕が整うまで根気よく咬合調整するならば、その期間を短縮して本来の傾きに収めることが出来るように思う。
それはは他の治療と違って、粘膜が顎位を自動調整してくれて、さらにスウィング干渉を和らげてくれるからだ。


入れ歯こそが、究極のスプリントだ。
入れ歯では、特別な装置を用いる必要が無い。
咬合調整も外してできるから簡単で、失敗しても患者に不可逆的な障害を与えるリスクも無い。
だから、歯医者の咬合のトレーニングには入れ歯を用いるのが一番だ。そういうことをあるセミナーで話したら、若い先生が僕のところにはほとんど入れ歯の患者さんが来ないのです。と、悲しそうに言った。

マッチポンプという言葉があるが、歯医者と患者さんの関係は正にこれだ。
残念ながら、若い未熟な時に失敗して、後で悔いながら回復処置をするのが常だ。
しかし、そうしているうちに退席する時が迫ってきて、若い先生にバトンタッチすることになる。
永劫回帰みたいなようではあるが、少しずつ進歩すべく努力することが出来る。
革命のようなことは無理だし、革命の副作用を考えると、それでいいのでしょう。そう思っていた。
しかし、あごろべえ先生のスウィング現象の発見は正に革命だが、副作用が無いということも革命的だ。

歯の治療と、癌の治療はよく似ている。
ある程度確立された術式があるのだけれど、5年生存率などで検証してみても著効から無効までばらけていて、その理由が良く解らない。
それは、原因療法ではなくて、修理の大系だからだ。
初めて、歯が悪くなる原因中の原因が発見された。
しかし、これを広めるための困難さは、この発見抜きに治療体系が出来ていて、それで起きる失敗は通常5年近く経ってからでなくては歯に現れないということだ。
だから、術者はみんなそれなりに腕に自信があるから、洗礼のヨハネのように警鐘を鳴らす者を訝り怪しむからだ。
それは、過去に偽預言者が現れては、しばらくして、消えていった積み重ねがあるから。
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入れ歯とのくらし | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/02/08 00:00
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