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 人工歯配列 ー雨夜の品定めー

やはり、総義歯の要諦は咬合採得と配列だ。
その他は枝葉末節に過ぎない。

僕も、いろいろやった。
名人だった父は、夕食の後に居間で家族やお客さんと団らんしながら配列した。
石炭ストーブに火箸を挿しておいて、それで平線咬合器のワックスの基礎床の上にパラフィンワックスを四つ折りにくっつけたペラペラのロウ提に、ジュッと火箸を押し付けて軟化して配列していた。
これが一番効率がいい。スパチュラでは熱持ちが悪くてだめだ。
フリーハンドで前から順に並べて、簡単に終わった。
だから、適当でいいんだろうと思っていたが、いざ自分一人になったら大変だった。

まず、その頃に流行りだした?リンガライズドオクルージョンをやってみた。
なぜ、それが流行りだしていたかというと歯槽頂間線法則というのがその昔あって、たぶん川邊清治先生の頃ではないか?
それは、上あごは外の骨が減るので、顎堤の上下の幅が反対になりやすい。だから、元々あった歯の位置ではなくて、その高い所の上に歯を並べると入れ歯が力学的に転覆することが防げるからということだった。
でも、そうすると上あごの歯列が狭くなって舌の置場が困る。
それで、山本為之先生がキーゾーンという上手い方法を見つけて、歯槽頂が上下揃っているところだけしっかり咬むように配列して後は咬まなくてもいいから広めに配列すれば、舌の置場が確保できる。
そうすれば、患者さんはその咬みやすい所だけで咬むから、問題が起きない。
患者さんの行動を読んだ高度なテクニックだった。
でも、それでも狭いから、筋の力の中間のニュートラルゾーンに配列して筋の力で維持しようだとか、いろいろとアイデアが出ていた。
リンガライズドオクルージョンがなぜ流行り出していたかというと、そんな面倒なことをしないで元々歯があった位置に配列しても、上顎の内側の咬頭だけしか咬ませないから歯槽頂に力が掛かるので転覆を防げるということだ。

これは、理にかなっていると思った。
その頃、デンタルムックといういろいろな科の新しいやり方を紹介した本があって、その中の総義歯の本に革命的なアイデアがあった。
上顎の人工歯を急峻な30度臼歯の陶歯でリンガライズドオクルージョンに配列して、下顎はフラットな20度のレジン歯にする。
そして、完成義歯の上顎の舌側咬頭に当たる下顎の臼歯に2~3ミリ幅ぐらいの穴を掘って、そこにアマルガムを詰めて、固まる前に患者さんに咬んでもらって、最終的な咬合を定めるというもの。
これは楽だし、陶歯とアマルガムなら咬耗しなくていいのじゃないか!
ところが、全然ダメだった。
2年かそこらしか持たない。アマルガムは金属だから減らないと思ったら、レジン歯より減りが早い。誤算だった。
たぶん、その先生は1年程度やって発表したのじゃないかな~
そのうえ、ある患者さんがこの入れ歯はフォークで突き刺して咬んでいるようだと言ったのだ。
なるほど、こんな先が尖った一点で咬んでいるようじゃ咬みきることもすりつぶすこともできないから、微妙なご飯のかたさなんて分からないや。
それがとどめとなって、この配列は止めた。

次に、阿部晴彦先生のブレードティースもやった。ステーキが咬み切れる。アワビも?
これは、全く駄目だった。
ある患者さんがキョトンとした顔で、この歯は羽根でかき混ぜている感じでご飯がおいしくない。
なるほど、すべてのごはんがお茶漬け状態になるわけだ。
あのブレードティースは繊細な和食には合わない。ラフなアメリカ人向きだ。

レービンブレードティースは割と良かった。配列も簡単で、咬みきれるし、ご飯をつぶすこともできる。
でも、レジン歯の減りが大きくてすぐダメになる。

和田精密のコンジュロイフォームの人工歯はリンガライズドオクルージョンだけれど、広い大きな丸い舌側咬頭だから、あれは良いと思う。
45は頬側咬頭を咬ませて、67は幅広い杵のリンガライズドオクルージョンに配列したら問題が無いのではないか?
ただし、下顎の人工歯を少し舌側傾斜させて。

でも、いろいろとやったのは感覚が悪いことの証明で自慢にはならないな~
自然の形態が一番いいに決まってるのに!
まあ、初期のころの失敗だけれど、今ではその失敗の理由が良く分かる。

過去の理論の中で、間違っていなかったのはフルバランストオクル―ジョンかな。
これは、意図してはいなかったろうがスウィング現象に合致していた。
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入れ歯とのくらし | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/12/05 00:00
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