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和紙の咬合紙

父は、一発で入れ歯を入れることが出来ていた。
僕は、父の亡くなった歳をはるかに超えているが、まだ叶わないな~
横で見ていたにもかかわらず!

入れ歯だけは、昔の歯医者の方が上手かったのか?
たぶんそうだ。
昔は、ティッシュコンディショナーも、フィットチェッカーも、調節性の咬合器も無かった。
それなのに、一発で仕上げることが出来たのは、ゴッドハンドだったのか?
まあ、父のレベルだとそうだろう。
印象材が良くなかった昔は、フラビーガムなんかは石膏をトロトロに練って、スパチュラで口の中に次々と投げ入れて型を採っていたそうだ。
患者さんは座っていて、その上顎に少しずつ投げ入れた石膏が垂れることなく留まっている。トレーは使わない。
完全無圧印象。

じつは、今となっては秘密兵器ともいえるものがあった。

 それが、和紙の咬合紙だった。

? 若い先生たちは、何を言っているのかさえ分からないだろう。 
この、今は無い咬合紙こそが、昔の歯医者が今の歯医者より上手かった秘密兵器だったのだと思う。
ものすごく厚い咬合紙だ。
指で持ったりしたら、指が真っ赤とか真っ青とかに染まる。
インクがジュッと滲み出る感じだ。スタンプ台みたいなものだ。

こんな話を聞いた。
加藤武彦という総義歯の大家のセミナーでの話。
この先生は、河邊清治という、その昔の総義歯の大家に師事していた。

 みなさん。なぜ義歯の咬合調整のことを選択削合というか知っていますか?
 それは、和紙の咬合紙を咬ませると、人工歯が全て真っ赤に染まります。
 その、全て真っ赤に染まった中から、どこを削ってどこを残すのかを、誰も分からない基準で選択するからなんです。

まあ、これは大げさだ。
かすかに濃淡が出る。
左右の差、前後の染まる面積の違い。
それを見ながら、高さの違いを判定して削合する。
すると、どうしても少し平坦な人工歯の面が並ぶことになる。
その平坦な面の連続が、却って総義歯を安定させる力を持つ。

父は、その咬合紙の真っ青なものを好んで使っていた。
ホルダーではなくて、ピンセットを二個使って左右に咬ませていた。
厚くて弾力があるので、微妙に前後左右の立体的な等高線のような染まり方が見えるのだろう。僕には見えなかったけれど。
これこそが、頭の前後左右の平衡を計る天秤だった。
基礎床もワックスで、咬合高径は平線咬合器上で後ろのねじを回して調節していたぐらいだから、最後の咬合調整ですべてアジャストしていたはずだ。
この咬合紙が無ければ無理だったと思う。

今はもう、その咬合紙は売っていないのじゃないか?
20~30年前には、太田咬合紙というのが一つだけあったらしいが、今もあるかな~
しかし、似たようなものが売っている。
フィードという歯科の通販で扱っている、「プログレス100」という100ミクロンもある厚い咬合紙。
十分代用できる。
僕は、少し咬合のずれが大きい時には、これを先に使う。
削る量が立体的に分かるから、とても効率的に削合できる。
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昔の歯医者の思い出 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/11/10 00:00
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