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金箔充填

僕がどうして歯医者になったかというと、母が歯医者だったから。
母がなぜ歯医者になったかというと、それは金箔充填のおかげだ。

小さなむし歯に金箔を詰める。
そんな治療が昔あった。
僕は、歯科大学で習って、その実習をしたことがある。患者さんに詰めたことは無い。
窩洞(歯を削った穴)に金箔を小さく丸めて詰めて、そこに先が平たい金属棒を当てて、上から叩く。
すると、金箔が押し固められて純金の塊になる。
しかしかなり大変。少しずつ詰めて、そのたびにカンカンやられるからけっこう痛い感じだ。
ごく小さなむし歯しか無理だ。実習では小臼歯の小窩に詰めた。
しかし、小さなむし歯の修復には最高の方法であることは確かだ。決して2次カリエスにならない。
金は明るいからほんの1mm程度の直径の小窩に詰めたものはとても審美的だ。
下顎の小臼歯に詰めたら、お話するときにさりげなく光って見えて、患者さんは自慢だったはずだ。
今の金やダイヤモンドのピアスよりもずっと価値が有ったのではないかと思う。ステータスを品よく示せる。
今では、保存修復学の教科書の隅に記載されているだけだろう。

祖父は商店主だったが、昔若いころ、東京の歯医者の叔父さんの所で手伝いをしていたことが有った。
そこで金箔充填の手伝いをしたことがあって、これは儲かると思ったと言う。
金箔の原価の十倍も二十倍もの治療費だったらしい。
宝石の値段と同じで、雑貨店の品物のように右から左に売れるわけもないからそんな値段だったのだろうが、その時の儲け率の大きさに魅了されて一人娘を歯医者にしたというわけだ。
国民皆保険の前の歯医者は、ゆとりの有る患者さん相手のゆったりした診療だったから、儲け率が高かった。
日本以外の歯医者は、今もそうであるようだ。

ということは、祖父が金箔充填を知らなかったら、僕はどんな職業に付いていたのだろうか?



昨日のmisaのブログ。
とても勉強になりました。
親は反省せずにはいられないよね。

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昔の歯医者の思い出 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2012/12/21 00:00
コメント
No title
そ、そんな大先輩にそんなことを言われると、恥ずかしくてパソコンの前で赤面しています・・・
夕焼け院長のブログは、学術的なことも、とてもわかりやすくて(わかりやすく説明するってとても難しい)大好きなのですが、
個人的には、昔の歯医者の思い出がとても温かい感じがして好きです。
お父様が火箸でロウ堤を溶かすところや、子どもが待ちくたびれて待合室で寝てしまうところ(しかも誰も気づかない!)など、思わずホッコリしてしまいます。
例えが変ですが、マニアックな日本昔話を読んでいるみたいな感じです。
最近は、歯科医院も外見や便宜性のみが重視されがちですが、こんな温かさも感じてもらえるような歯科医院を作っていきたいなと思いました。
これからも夕焼け院長のブログ、楽しみにしています。
No title
こんにちは、夕焼け院長様。

私も、セピアなイメージの、昔の歯医者の思い出話好きです。
記事が更新されてるのが楽しみです。

奥歯のクラウン(セラミックは硬すぎると言われ)、保険外の金合金を選びました(その医院には色々な保有率の金合金があり)金キンしてなくて、ちょっと見はパラジウムみたいに見えます。自分の歯の様に減っていくとの事です、毎日金箔ご飯になってるのですね(笑)~


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