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むかしのおとこ

春が来た。
僕の年齢に合わせて、患者さんも年寄りが多くなったので、大雪だった今年はとても暇だった。
道の雪が無くなると、総入れ歯の患者さんがやってくる。
冬の間、じっと我慢していたのだ。

        道の雪
     うちの前の、夏場は中央に散歩道がある道路に残っている雪(4月3日)
     冬はそこに排雪のロータリー車が道の雪を積み上げる。
     3月初めには、あの木がすっぽり隠れていた。
     その後、嵐が来て猛吹雪。今はもっと雪がある。


90を過ぎた、総入れ歯のおばあさんが来院した。
入れ歯の歯がレジン歯だから、僕が昭和の時代に入れた総入れ歯なのだろう。なんともレトロな風情がある。
上の奥歯は屋根のひさしのように、というか、傘のように内開きに減っている。
高さが減って、クシャッとした顔をしている。しかし、背中は丸いがかくしゃくとしている。

このような使い古した総入れ歯の患者さんが来ると、いつもドキッとする。
患者さんは、もう長~くこの入れ歯と暮らしている。
僕の、今度大学に進学した息子も、社会人になった娘も生まれていなかった頃からその入れ歯と暮らしている。
そして、ずいぶん我慢して暮らしたが、ようやくというか、ついに愛想をつかしたのだ。
もう別れて、新しい相手と暮らしたい!
90を過ぎて、25年も暮らした相手と別れる決心をした。重く受け止めざるを得ない。

これは、大勝負だ!
何度このような勝負に敗れて、むかしのおとこ(元の入れ歯)に戻られてしまったことか・・・
その、くやしさ、恥ずかしさ。情けなさ。
もう負けないぞ~負けてたまるか~
ごちゃごちゃと入れ歯を直して、少しずつ歩み寄るなんてせこい真似をせず、男らしく一発で勝負してやる!



エイプリルフール 2

このおばあさんも、うわの空の妄想が作った、実在しない総入れ歯の患者さんの象徴なのかも?
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入れ歯とのくらし | コメント(0) | トラックバック(0) | 2012/04/11 00:00
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