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肩こりという現象の持つ意味

昨年、入れ歯を外して就寝する患者さんのつらい症状について書いた。
その続き。

私は、患者さんの肩こりをいつもチェックして歯の治療をしている。
それはなぜかといえば、肩こりは患者さんのかみ合わせの状態を反映しているからだ。
いつも肩がこっているということは、かみ合わせが悪いということだ。
だから、それをチェックして出来るだけ肩こりが無いような状態にするように心がけている。

肩こりをチェックすることは必要な診査だから、今では私は普通に肩や首の触診をしている。
内科のお医者さんが必ず聴診するようなものだ。
もう10年以上そうしているから、私の歯医者に来る患者さんは当たり前のことだと思っているはずだ。
ただ、お医者さんが聴診して何を診査しているか分からないそれ以上に、肩を触診して何の意味があるのかと思っているのではないか。聴診はどの内科でもするけど、歯医者は首から下は普通は調べないから。
だから、私が入れ歯を外すと肩がこるんですよと言いながら触診しても、最近目が疲れているからとか言う。

この肩と首の触診は、大阪大学名誉教授の丸山剛郎先生に教わったものだ。
実証的であること。丸山先生からそれを学んだ。
肩と首の触診は歯科医学に革命をもたらしたと云ってもよいのではないか。

これまで歯は体と切り離して、あたかも部品の修理のように治療されて来た。
それは何故かというと、歯科疾患は内科で扱うような全身的な生体組織の生化学的病態ではなくて、細菌や外傷による局所の損傷という側面が強いからだ。
だから、修復(修理して復元する)補綴(無くなった歯を補って綴る)という形態回復が主たる治療であった。
医科の方では整形外科が同じような治療法を取っている。そして、形態回復した後は上手く機能するようにリハビリする。
歯科にもリハビリはある。口腔筋機能療法という口の筋肉の使い方の誤りを正すトレーニングや、麻痺などで失われた機能を回復する摂食嚥下訓練など。
普段の治療でリハビリなどしないのは、歯科のほうが治療技術のレベルが高いからでしょう。
もう1つは、動物は食べないと生存できないから、口の機能は他に比べて圧倒的に良く出来ているから。
だから、歯科だけが特殊なのではなく、歯科医学は西洋医学の伝統にのっとってこれまで進んで来た。
医科と歯科が分離しているからそうなのではなくて、西洋医学の方法論そのものが現時点では部品の修理システムだ。
分析的方法論で証明可能なことだけをエビデンス(根拠)とすれば、そうならざるを得ない。

肩と首の触診は、そこから一歩踏み出したものと云ってもいいだろう。
歯科医学だけではなくて、医学的にもこれまでの手法から踏み出したものだ。
部品の修理システムから、全体のつながり・全身的なシステム・機能の問題に移行した。
だから、なかなか理解されない。
いわゆるかみ合わせというものには、単なる上下の歯の接触状態を超えたなにか分からないものがあった。
その機能を測るためには、従来の手法だけでは行き詰っていた。
全身の筋の触診という、施術医療の診査法が必要だったのだ。
中医学、鍼灸、整体などの代替医療といわれるものは、あまりにも複雑な解析を必要とするから分析的手法で証明することが不能なので別枠になっていると云うべきだろう。

歯科治療というものは、2つに分かれている。
このことに対する自覚が無かった。それが混乱の元だったように思う。

 ①西洋医学的疾患=むし歯、歯周病、などの疾患そのものの治療。
 ②代替医療的病態=むし歯、歯周病などの後遺障害(崩壊した歯や欠損)の機能回復。矯正などの口腔システムの構築。

①の治療はエビデンスに基づく厳密に定められたものだが、②の病態の治療に関しては、元々エビデンスなど無かった。あるのは解剖学的計測と、哲学や想像に基づく検証を欠いた理論と、経験的な手法だけだ。

つまり、咬合と全身のかかわりだけではなくて、元々歯科治療の中心的な部分には、エビデンスなど無かった。
代替医療的な方法論に基づいた手技の要素の強いものだったはずだ。

呼吸や会話や消化器官の入り口としての役目(これだけでも十分すごいが)ばかりではなく、頭と体をつなぐコントロールセンターとも云える口腔という特殊な場所にはもっとすごい機能が隠されていた。
ここに歯科の特殊性がある。機能性疾患という全身的な病態の震源地であったのだ。
そして、それは西洋医学的な疾患ではなくて、代替医療が取り扱う病態であった。
そのような病態を口腔機能失調症という。

すこし、この肩こりという現象の持つ意味を考えていきたい。
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やじろべえ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/01/07 00:00
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