トリックスター佐々木勇気を讃える

藤井聡太君の連勝がついに止まった。残念。
しかし、今度はその連勝を止めた佐々木勇気五段のファンになった。
僕はこれまで、彼の名前がまったく今どきなのと、なんか見た目もしゃべりも軽い感じがして、あまり注目していなかった。
しかし、彼の藤井君との将棋は見事だったし、勝って連勝を止めてみると、彼の姿勢は素晴らしかった。プロの鑑だ。
対局に備えて、2度も藤井君の対局前の対局室に一番乗りして隅に座って見学していた。
解説者や聞き手の女流プロに散々いじられていた。あんな行動をする棋士見たことありますか?何してるんでしょうね?さ~
本人は、報道陣に囲まれるのに慣れるためとか、藤井君のオーラを感じるためとか言っていた。
しかし、いざ連勝を止めた後で彼の行動を振り返ってみたら、中継カメラに映るために行ったことは明らかだ。
テレビカメラの裏側に座れば映らないがそうではなく、わざわざカメラにハッキリ映る位置に、対局者も報道陣も居ない無人のうちから座って闘志をむき出しにしたギラギラする目つきで、自分が連勝を止める挑戦者だ!と座っていた。
見事に成し遂げて、昨日はその次の格上の相手にまた見事な差し回しで快勝した。
この前は日曜日。昨日は土曜日と本来はあまり対局を付けない日に付いているのは、中学生の藤井君と大量の報道陣対策だったが、昨日は完全に当てが外れたわけだ。

師匠が、彼はまことに単純でピュアな好青年だと言っていたが、そのとおりだと思う。
8歳年下の中学生に対する態度ではないが、そんなことにはまるで頓着しない。
負けたらかっこ悪い状態に自分を追い込んで、アドレナリン全開で臨んだように見える。
藤井君の当たり障りのない大人の受け答えと対照的に、思ったとおりをとんがった言い方でキッツと目をを見て言う。
かわいい。まだ22歳。僕は、もうむちゃくちゃファンになってしまった。
以前、大山に升田、中原に米長とライバル関係を書いたけれど、彼こそまさに藤井に佐々勇となる逸材だ。
勇気流という序盤定跡の開発者でもあり、升田の「新手一生」を継ぐ戦略家でもある。
これからは、藤井君のライバルとして、彼に注目したい。
彼の闘争心は藤井君の登場で燃え上がった!当面は竜王戦で彼がどこまで勝ち上がるかに注目したい。

さて、藤井君は次の順位戦ですぐ勝利を収め、その終盤力のすごさを示したが、これまでかなり完璧に見えた序盤作戦にまだ経験不足の粗さがあることがちょっとずつ顔を表してきた。
格上の経験豊富な棋士は、これからは佐々勇のようにそこを突いてくるだろう。
今年度中にタイトル戦に登場するのは、けっこう難しいかもしれない。
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あれやこれや | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/07/09 16:58
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