歯医者の適性

先日、東京に行くときにたまに寄る板前割烹の店のカウンターの並びに、弟子入り希望者というか他店で勤めている料理人らしい人が座っていて、料理を食べながら主人からいろいろと話を聞いているところに出くわし、つい聞き入ってしまった。
いろいろな心構えとかを話していたが、どこの世界でも一流というか、それなりの構えを持つようになるのは大変だということが横で聞いていて良く分かる。
特に、包丁一本の板前の世界は昔の徒弟制度そのもので、労働基準法などとは無縁の世界のようだ。
名店で学ぶには、石にかじりついても技術を盗み、将来店を持ち、名をあげてみせる!その、強い意志が無ければ無理だろう。
途中でくじけて辞める人の方が多くて、1年目と3年目が一つの壁だという話だった。

その人が帰った後、隣の席にいたお客さんが、大将、やはりどこの世界でも向き不向きというのがあると思うんだけど、そういうのを見分けるコツはあるの?器用不器用とか、味が分かるとか、我慢強そうとか?と、質問した。
やはり、しっかり聞き耳を立てていたようだった。
大将は、そうですね~器用不器用とかもあるかもしれないですけど、分からないですしね~
一つだけチェックするようにしているのは、心配性かどうかですね。料理人は、心配性じゃないとだめです。気が小さい方が向いてます。というのだ。
僕は、この言葉を聞いて、けっこう胸に痛みを感じた。

僕は、歯医者と一番似ている職種は料理人だと思っている。
個人商店が軒並みシャッター化しているように、現在はあらゆる職種が企業によるチェーン化していて、個人で出来る職種は、飲食店と床屋さんと歯医者ぐらいしか残ってないし、そこにもかなり押し寄せている。個人経営のようで、実はそうではない店が増えてきた。でも、まだまだ可能だ。
いずれも、腕を競う、個人的な要素が強い仕事だ。
成功している人は、雰囲気にどこか共通性がある。顔を見ると、あ、この人は、と分かるのだが、言葉にならない。
心配性。そう言われると、瞬間的に分かった。
いつも隅々までチェックしていて、危険を察知する能力が優れているので急所を外さないのだ。
僕は、自他ともに認めるのんびりした性格なので、失敗して後悔することが多い。
それなりに勉強はしたつもりだが、肝心なところでうっかりしてダメにしてしまう。
そもそも、一流に成ろうとかいう野心も無かったし、ただ状況に流されてきただけだ。
最近は、発表のスライド作りとか、他人の論文の図の配置を修正したりセミナーのチラシ作りとか、ホームページのこまごまをやっているのが無性に楽しい。
ホントは、僕の適正は広告代理店の事務職員だったような気がしていたのだ。
他人と接しないで、パソコンの前でチョコチョコやっているのに向いているようだ。

 料理人は心配性じゃないといけない。

これは、金言だな~歯医者にもそっくり当てはまるように思う。
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あれやこれや | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/11/30 08:29
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