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スーパー名人  ー ラッパの先生の講演とデモー

日曜日に、北海道直研企画・主催の「咀嚼リシェイピングの実際と勘所」の講演とデモが札幌で行われた。
講師は、ラッパの先生。
軽井沢から前日に来てもらって、朝から3時までみっちり。ありがとうございました。

とても勉強になった。そして、今までこれほど実際の歯科臨床ですぐに役に立つ講義は聞いたことが無い。
クラウンブリッジ、インプラント、義歯、矯正。すべての歯科診療の中核を、見事にシンプルな術式として完成させていた。
おそらく、これ以上シンプルな咬合の診断・治療法は無いだろう。
それは、MDAという自分の歯の上にさらに作った歯を乗せる入れ歯を50個以上作って実際に食べてみて咬み心地を調べるという、自分を被験者にした人体実験を繰り返して見つけた貴重な発見なのだ。
ちょっと思いついたとか、たまたま上手く行ったとかでは無くて、10年を優に超えて15年近い実験を繰り返す研究の驚くほどの根気の成果だ。

完成した術式は、咬合器もME機器も必要ないのではないか?
シロナソグラフというME機器を使って厳密に調整した症例を解説したのだが、必須のものではなく診査の補助と検証に使っていたように見えた。
その術式は、ただ上下の歯列模型を両手で持って、軽く揺すってその時の抵抗を手の感覚で感知する。
それが、第一の診断基準となると言う。
へ~ そんなことで!

しかし、僕もこれまでのスウィング現象の知識と経験があるから、聞いた瞬間に、これはコロンブスの卵だ!とすぐに分かった。
でも、おかしいな?これまで、10年を超える付き合いで、いつも詳しく教えてくれているのに、その核心の術式は初めて聞いた。
それで、え!そんな話は今まで聞いたことが無いよ。と言うと、いや、もうだいぶ前からどこをどうすればいいかはっきり分かるようになったんだけど、ただなんとなく自然に分かってしまうんだと言う。
ここでデモをすることになって改めて意識してやってみると、そのようにしていたことに気が付いたんだと言う。

この言葉を聞いてすぐ頭に浮かんだのは、大工の棟梁とか板前とか伝統工芸の職人の秘伝の伝授法だ。
彼ら伝統的な職人は、理論的に教えたりしない。
見て覚えろ!という態度だ。盗め!とか言う。
ただケチなだけなのかな~それとも、全くそのままコピーしてやってみて体で覚えないと身に付かないから、心を鬼にして教えないのかしら?とか思っていた。

たぶん、職人気質と言うのは、手が覚えているが大系を作ることが苦手ということなのだろう。
抽象化が苦手なのだ。そして、元々手作業の職人仕事は、抽象化することが極めて難しい。
歯医者の世界も同じで、職人的な名人は沢山いた。
しかし、その名人たちは、自分の発見や見事な仕事ぶりを伝えるすべを持たず、一代限りで消えていってしまっている。
もしかして、本当に鋭い感性を持った名人の歯医者が居て、過去にラッパの先生と似たようなことを見つけて実践していた可能性は否定できないと思う。
昔の歯医者は、技工もしていたから歯列模型をすごく沢山触っていた。今の歯医者よりも感覚的知恵を持っていたかもしれないとも思う。
しかし、ほら、こんな風に模型を揺すったらなんとなく上手くいくんだ。と言われて、なるほどと思う人がいるだろうか?
だから、思いつきや屁理屈にすぎなくても教授や海外の先生を、権威や口と見栄えで信用してしまうのではないだろうか?
ラッパの先生は頑固だ。僕のように、すぐ信じてしまうことが無い。
自分の体で体験しなければ納得しない。だから、とことん追求したのだろう。

そうして考えると、ラッパの先生は職人的名人でありながら、これまでの勉強で得た知識と実践研究によって理論的に説明して納得させることが出来るスーパーな名人になったように思う。
とてもそんなすごい人には見えないところが日本的で、また味わいがある。
ドラゴンボールの亀仙人を真面目にした感じとでも言ったら怒るだろうか?
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ラッパ亭語録 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/07/06 16:31
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