鉄人

少し歳を意識せざるを得なくなってきたが、若いときからほとんど運動をしてこなかったので筋力・体力・体型共に、僕はかなりコンプレックスを持っていた。
老人になると、それがだんだん違いが目立たなくなってきて、歳を取るということはありがたいな~とさえ感じる。
人間というものは、必ず同じようなグループで勝ち負けを競うように出来ているようで、同級生と一番競うことになるわけだ。
だんだん、亀がうさぎを追い越していくような感覚が出てきて、これはとても愉快だ。
しかし、亀も衰えてよれよれだけど、うさぎの衰えの方がひどいというような目くそはなくそに近い喜びに過ぎないけれど・・・

僕はいま、現在97歳のおじいさんを思い出したところだ。
このおじいさんに、25年ほど前から、歯医者の雪かきをしてもらっていた。
つまり、最初は70代の老人だった。
毎朝、軽トラで来て雪かきをするのだが、歯医者の駐車場は6~7台のスペースがあってアプローチを入れると面積は3倍ある。
それと歯医者の建物の前を、スコップとママさんダンプ(スコップの10倍ぐらいの面積の手押しの除雪道具)で除雪していくのだ。
雪が多い時は1時間では済まない。鉄人と言っていいだろう。
85歳ぐらいになったときに、ちょっと恐れ多い感じがしてブルトーザで除雪する業者に代わってもらった。
その他に、夏には気をきかせてくれて草刈り器で雑草を刈ってもらっていて、昨年までお願いしていた。
昨年、すまないが来年からは他の業者を頼んでくれと言われた。
まあ、よくも95歳を過ぎても鋸の付いた草刈機を操って1時間以上働けたものだ。

背が高くガシッとしていて、腰はまったく曲がっていない。
皆さんが気になるだろう歯は、入れ歯のすれ違い咬合で2~3本抜けたりしたままで、あちこち痛い状態を我慢していて、たまに気が向いた時に治療に来る。

うちの待合室と診療室にはドアがなくて、声の大きい人の会話が聞こえてくる。
超高齢の町だから訃報が多くて、待合室であの人が死んだとかいう会話が多いのだが、ある日80才近くの人の訃報があったときに、

 ほ~ まだ若いのにね~

という声が聞こえてきて、あれ?っと思ったら、そのおじいさんだった。
陽気で屈託がなく、カラオケが大好きな鉄人。
恐れ入ったな~
100歳でも、しゃんとして歩いているだろうに違いない。

 やはり、歳を取ったからといって体を動かさないと、だんだん動かなくなるからね。頑張っているんだ。

と、言っていた。

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あれやこれや | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/03/30 00:00
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