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ボク、うつむいているかしら?

 昂然と頭を持ち上げる。悄然とうなだれる。

これは、人間ばかりじゃなくて、脊椎動物全般に共通する現象だ。
勝った方は上を向いて胸を張り自信にあふれ、負けた方はうつむいてしょんぼりする。
うつむいていることはよくない。

前回は、たまたま何か理由があって長時間下を向いていた人の、前歯の急性の痛みについて書いた。
突然で非常に激しい症状が特徴で、腫れあがることも珍しくはない。
それに対して、あごろべえ先生がコメントに書いてくれたようなスウィング干渉によるうつむき気味の頭位などによる痛みは、たまたま起きるがさほど激しくはなく、しばらくしたら収まる。忘れていたころまた痛くなりそれを繰り返すので、これはやはり、歯医者さんで見てもらおうということで来院する。
スウィング干渉部位を特定して調整するために歯型を取って、次回調整のために来院してもらった時には半数近くはすでに収まっていることが多い。
顎位診断して、干渉部位を見つけてほんのわずかそこを削ると、見事に頭は少し上を向く。

自信喪失したり、または欝々としたりするとうつむいてしまうわけだけれど、物理的に少しうつむいていた頭位が上を向くと、自然に自信が湧いてきて気分も晴れる。
深呼吸すると、少し晴れやかな気持ちになるようなものだ。

そもそも、赤ちゃんはまるで仏さんのように悟りすました顔をしているが、首が据わって頭を持ち上げるようになると、とたんに本性を現しやんちゃになる。
最初の頃は頑張って頭を持ち上げるが重くてだんだん垂れてきて、しまいにへなっとなったりするのが可愛い。
しかし、すっかり力が付いて首を持ち上げることができたときは、意気揚々としている。どうだーという感じ。
しまいに、モスラのように暴れまわる。
のび太が大泣きする時は顔が天井を向いて泣く。それは頭が少し上向きなので、わーんと大きく口を開けると頭のバランスがすっかり後ろに傾くからだ。
頭のバランスが少し上向きな子供時代は、概してみな楽しそうだ。
少し頭のバランスがうつむき気味な大人は、みんななんとなく憂鬱そうでつまらなそうな顔をしている。
矢野顕子の「ごはんができたよー」という名曲があるが、あの曲の全体的なイメージはそれだ。
中年のうちは、そんな苦笑いもちょっとおしゃれだけれど、うつむいてとぼとぼ歩く老人はシャレにならない。
死刑囚が、刑場に引かれていくというか・・・
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スウィング | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/12/18 00:00
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