うつ患者の受難

ドイツの飛行機の墜落が、副操縦士のうつ病による発作的な犯行ではないかと報道されている。
まあ、小説よりも奇が現実ではあるけれども、あほらしいというか、天才バカボンみたいな話だ。
うつ病で勤務不可能なのに、それを隠して飛行機に乗っていたらしいとのことだ。
それで、発作的に前後見境なく自殺したらしいということのようだ。
まことに心配の種は尽きなくて、杞憂のことわざどおりハルマゲドンはいつ到来するかわからない。

しかし、これはうつ病の患者さんにとっては晴天の霹靂というか、日々うつうつとしているわけだから、曇天の霹靂かもしれないが?大変な受難だ。
うつ病で精神科に受診している電車やバスの運転手やタクシーの運転手には、恐るべき災難ではないか?

このような報道は、センセーショナリズムばかりではなくて、明らかな間違いがあると思う。
この副操縦士が、仮にそのような行為に及んだとしても、その最大の因子はうつではなくて、彼の倫理的な崩壊であったことは間違いないことだと思う。
病気のせいではないと思う。

ただ、一つだけそれ以外の原因が想定できる。
それは、抗うつ剤の副作用だ。
アメリカでの銃の乱射事件も、秋葉原の事件も、抗うつ剤の副作用の疑いが濃厚だ。
精神に作用する薬の副作用は、本来備わっているはずの倫理性にも作用するのではないか?
化学的な療法には、きちっとしたデータと疫学的な統計があって、エビデンスがあると言われている。
しかし、副作用のエビデンスにも事欠かない。
漢方薬のような自然そのものを用いた生薬では、そのような致命的な副作用はないが、化学薬品の副作用は何年も何十年も経たないと判らない。
科学的エビデンスを盾にして、歯科や整体や鍼灸などの物理療法に科学的根拠が無いような意見も見られるが、物理療法に於いては治療者のミスが無ければ通常は副作用は無い。
薬の副作用は医師個人の責任では無いし、製薬メーカーも各国が定めた基準をクリアしているわけで、国も学会が定めた合意に従っている。学会は医師の集合意見ともいえる。
つまり、薬の副作用に於いてはどこにも責任が無い。
仕方なく、最終的に国が責任を引き受けて賠償するだけだ。

エビデンス、エビデンスと、水戸黄門の印籠のように振りかざすが、実態はこんなものだと思う。
我々は、物理療法の価値をもっと知るべきだし、化学療法の危険性と秤にかけて考える必要がある。

まあ、その副操縦士がそのようなことを引き起こしたとして、そして抗うつ剤を飲んでいたのじゃないか?というのは僕の想像にすぎないが、精神病患者は向精神薬のせいで、大変な受難にあっていると思う。
薬に支配されてしてしまう行為までが、自分のせいにされてしまう。
その精神に作用する薬が無ければ、運が悪くて病気になったとしても自分の行為なのだから、苦しいが諦めがつく。
彼がキリスト教徒だと仮定すると、彼は地獄に落ちるのだろうか?イエスを信じているのだから、天国に行くのだろうか?
私が独断と偏見で聖書を読む限りでは、彼がイエスを信じていたのなら天国に行くとしか思えないが、晴れ晴れとした気持ちで天国に行けるとは思われない。
ということは、後ろめたい気持ちがあるわけで、イエスを本当には信じてはいなかったわけだ。
イエスを信じる信じないにかかわらず、薬の支配で起こす犯罪は無罪なのか?有罪なのか?
信仰の向こう側にいる人には確信があるのかもしれないが、現世を迷いのうちにさまよっている人間には倫理的にとても苦痛だ。

このような重症患者は薬に頼るしかないのかもしれないが、安易な薬の使用が重症化を招いている可能性は否定できないのではないか?
あごろべえ先生は、何人も改善させているし、僕たちの本の複数の術者の症例報告はそのようなケースをたくさん載せている。
他にも、整体師や鍼灸の術者が治した報告も多い。
これからは、物理療法の研究を進めるべきだろう。
精神病に苦しんでいる患者さんは、引き受けてくれる物理療法師がいれば試してみるべきではないか?と思う。
少なくとも、副作用はごく少ないはずだ。
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エビデンス | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/03/28 00:37
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