いわゆる舌痛症とスウィング現象

お盆休みが暇だったので、いらぬことばかり書いてしまった。
反省して、戻る。

ずいぶん長く舌痛症の話を書いてきた。
もう、この辺にしようと思う。
日本歯科心身医学会で発表して、このブログにも長く書いてきた2症例は去年来院した患者さんだった。
今年も2人舌痛症の患者さんが来院した。
なんで、お前のところにばかりそんな患者さんが集中するのだ?と思うのじゃないだろうか?
確かに、明らかに増えている感じだ。
高齢化のせいではないだろうか?
舌痛症の大部分は70代中心だというから、少子高齢化した町の高齢者の患者ばかりが来院する歯医者だからだと思う。

今年来た患者さんも、70代前半と80代半ば。
80代の患者さんは、僕が5年ほど前に治療して治まっていた舌の痛みの再発だった。
2人とも、あっけなく簡単に治ってしまった。
スウィング干渉を咬合調整しただけ。2人とも、2度の咬合調整だけで治った。
総義歯の配列の工夫や咬合調整での手ごたえと、フォローアップセミナーでのあごろべえ先生の手の動きを見ていて、腕が上がった。
スウィングの運動軌跡がだいたい頭に入って、手に染み込んできたようだ。

頭痛や肩こりや腰痛は、ごくありふれているが、舌痛は珍しい。
同じ原因(かみ合わせの不調による筋肉のこり)で起こるのだと仮定すれば、頭や肩や首や腰の筋肉に比べて舌筋の方がタフに違いない。

舌が付いている舌骨は、頭とあごと首と肩に筋の起始停止がある。
どこの骨とも接することなく宙に浮いている舌骨の位置はとてもアバウトだ。
若い人は、たいがいあごのラインがシャープで美しい。それに対して、歳を取ってきたり、太っていたり、若くてもあごが後退した不正咬合の人などは2重顎だ。
この2重顎とは、舌骨が下がった状態だ。
舌骨の高さにはこれほどの差が普通にある。
普通の関節は骨と骨とが接しているので、きわめて厳密な位置が要求される。
他の骨と接しておらずに距離があることが、そこでひずみを緩和出来て、こることが少ない理由ではないか?
構造医学の吉田勧持先生は、舌骨は動滑車として、筋肉の運動のベクトル変換器として働いているという。
案外、この舌骨の動滑車機能がうまく働かない時にこりが生じて、舌が痛くなるのかもしれない。

いわゆる舌痛症(歯科的に解決できる舌の痛み)は、そんなたいそうな病態ではない。
頭痛や肩こりや腰痛が咬合治療で治ることが多いのだから、それよりもはるかに震源地に近い。というよりまさに直下型地震のような場所なのだから、おおざっぱな原因を取り除きさえすればよくて、かえって勝負は早いようだ。
今までの僕の治療法は、抗うつ剤とかのたいそうな治療に影響されて、慎重すぎたのかもしれない。
スウィングキーパー(頭のとあごの支え)はどうか?スウィング干渉(頭とあごのつまずき)はどうかを診て、その問題を少し改善すれば、もともとタフなところなのだから勝手に治る。そう考えるようになった。

一度治って再発した患者さんは、何のことは無い。
半分ぐらいの歯は入れ歯だったのだけれど、残っていた左上の犬歯が下の犬歯をがちっとロックしていた。
その差し歯を盛大に削って、あと少し入れ歯のかみ合わせをスウィング調整しただけだ。
過去の治療時にスウィング干渉の認識が無かったので、調整が足りなかっただけだった。

いわゆる舌痛症は、治りやすい。
スウィング現象という未知の現象があることを認め、それを学んで取り入れたら、簡単に治る。

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舌にまつわる問題 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/08/30 00:00
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