おっぱいの力

この前、矯正の講演会で興味深いことを聞いてきた。
講演会と言っても、あるカリスマ矯正医の弟子のお話を聞く仲間内の会。
講師はとってもピュアな人で、話しているうちに感極まって何度か泣いてしまった。驚いた。
矯正の話だったが、育児の話もした。とても印象に残ったのは。

 おっぱいは、1歳7か月までは飲ませましょう。

これまでの保健指導とは真逆。
8ヶ月ぐらいになると、まだおっぱい飲ませてるの?と言われて肩身が狭い思いをするとあるお母さんが言っていた。
僕も、1歳ぐらいまでは必要だと思っていたけど、後は歯が生えてきているわけだし必要ないかな?と思っていた。
その講師は、とにかく最初の乳臼歯がしっかり咬むまでは飲ませるべきだという。
理由は言わなかったような気がする。
きっと嚥下癖との関係であることは間違いないだろう。
正しい嚥下は臼歯を咬む必要があるから、乳臼歯がしっかり咬むまでというのかな?
考えているうちに、はっと気が付いた。なにかかなり謎が解けた気がする。

僕がこのブログで乳歯の過蓋咬合(深いかみ合わせ。咬んだときに下の歯が見えない)が多いと強調していたので、ラッパ亭の先生が1歳半3歳児検診でよく観察して報告してくれた。
ほとんどが過蓋咬合だったという。
やはり、全国的にそうなのだろう。乳歯の過蓋咬合が明らかに増えてきている。
乳歯列は本来は切端咬合(上下の歯の先端どうしが咬んでいる浅いかみ合わせ)に近いはずだ。
昔はそうだったし、解剖の本の図もそうだ。どうもおかしい。
下顎が成長して次第に浅くなるのだろうか?と考えたが、佐藤貞雄先生の本に統計資料があって、乳歯列期を通して前歯の被蓋は変わらないようだ。
しかしもっと不思議なのは、乳歯の過蓋咬合が増えているのに、今頃の若者は圧倒的にドリコタイプ(しの字型のあご)が増えているということだ。
深いかみ合わせと、しの字型のあごの長い顔。感覚的に違和感がある。

母乳はむし歯になりやすいから、早く卒乳させるようにと指導するようだ。
何のために歯医者があるの?むし歯になったら、詰めとけばいいじゃないか。乳歯は生え変わるんだから。
本末転倒している。本来、乳歯列は良い口腔機能を作って、立派な永久歯列に咬合を育成するためのものなはずだ。
生え換わって役目を果たしたら抜けてしまう歯の小さいむし歯が全てで、育成しなければいけないかみ合わせにまで考えが及んでいない。
まだ、むし歯にしか気が回らず、目が寄ってしまっている。

娘が歯科医で、カンボジアの歯医者に勤めた。
以前、カンボジアに仕事ぶりを見に行ってきて、カンボジアの青年の素晴らしい歯列にうっとりとしてしまった。
その後、娘はベトナムの歯医者にさそわれて、自分の勉強のためにそこに移った。
昨年の五月、また見に行ってきたが、ベトナムにはあまりいい印象を受けなかった。
この前、ふと気になって、ベトナム人はあまり歯並びが良くないのじゃないか?と聞いてみた。
ひどいと言う。
僕の、高校大学時代の関心の中心、ベトナム戦争の舞台の国境を接した国がどうしてそんなに違うのだろう。
人種のせいだろうか?カンボジアは純クメール人。ベトナムは中国文化圏の周辺に位置するからか?中国人もあまり歯並びが良くは見えない。
でも、娘が言うには、

ミルクのせい!

ベトナムでは、4~5歳になっても哺乳瓶でミルクを飲ませているという。
え!どうして?ありえない!
だから、咬めない子、咬み方が分からない子がたくさんいるという。
日本より進んでいる。いや、高度経済成長のころは日本も哺乳瓶にジュースを入れて飲ませたりしていた。
その頃は子供にかまっている暇などなかった。
カンボジアでは、ミルクじゃなくて母乳だろ?と聞くと、ミルクを買うお金が無いから母乳と答えた。
やっぱりそうなのだ。



8月のカレンダーは、椋の木の赤ちゃん。
これから育つ。

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子供のかみ合わせ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/08/31 00:00
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