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子供の食卓に水を置かないで

いちばん大切な、哺乳・離乳期の問題が終わった。
でも、健康な歯列・咬合を獲得するには、まだまだ難関が待ち構えている。
四年前に、地元の歯科医師会の広報誌に掲載した雑文を再掲してみる。


子どもの食卓から水を追放しましょう!   
       歯列不正、不正咬合が年々増えてきています。
 

 「明眸皓歯」という表現があります。美しい歯は美人のひとつの条件でもあります。
アメリカでは、矯正治療はある種のステイタスのようで、矯正していることを周りに自慢する傾向があるそうです。隣の韓国は、美容整形大国で有名ですが、矯正大国でもあるようです。
翻って日本人はというと、残念ながら、歯が汚いことで世界的に有名だそうです。

 ところで、最近の子どもたちの歯並びがどんどん悪くなってきていることをご存知ですか?
特に増えてきているのは、叢生(そうせい)という歯列不正です。
顎の発育が悪いために歯が並びきれずにガタガタに並んだ状態をいいます。八重歯もその仲間です。
顎の発育が悪いのは、硬いものを食べなくなったからだとよくいわれますが、それだけではないようです。
実はこの「叢生」という歯列不正は、昭和20~30年代生まれまでの人にはそれほど見られなかった歯列不正です。
では、そのころまではいつもそんなに硬いものを噛んでいたのでしょうか?私もその世代ですが、特に固いものを噛んでいたような記憶はありません。
では、昔と今とで食卓の中で大きく変わったのは何でしょうか?
日本学術会議のメンバーで、鹿児島大学名誉教授の 伊藤学而先生のユニークな説を紹介しましょう。
それは、「水の存在」です!
昔の食卓には、ご飯とおかずと味噌汁しかありませんでしたが、最近の子供のいる家庭の食卓には、ほとんど水や、お茶、麦茶、なかには清涼飲料水などが置かれています。
たぶん外食の影響でしょう。昔は、めったに外食することはありませんでしたが、今では日常的になりました。お店では必ず水を出します。いつのまにか水があるのが当たり前のようになってしまったのでしょう。
昔の家庭では、カレーライスのときだけでした。

 食物を噛むのは、ただ小さく砕くだけではなく、唾液と混ぜ合わせて飲み込みやすくするためでもあります。
水を飲みながら食べると、極端に噛む回数が少なくなります。流し込み食いになるからです。
よく、それじゃ味噌汁はどうなの?お酒は?と聞かれます。
味噌汁で流し込み食いはしません。味がおかしくなるからです。お酒もそうです。
ところが、味の薄い麦茶などを置いておくと、流し込み食いが習慣になってしまって、ほとんど噛まなくなるのです。これは盲点でした。

「食卓から水を追放しましょう!」もう一つ、「晩酌をするお父さんがいたら、見習いましょう!」
お酒を飲むことではありません。晩酌をすると、食事がゆっくりになります。
ゆっくり食事することが一番大事です。お茶は、締めくくりにみんなで飲むのがいいでしょう。

               天塩の晩酌するお父さん


どうですか皆さん。盲点じゃなかったですか?


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子供のかみ合わせ | コメント(2) | トラックバック(0) | 2011/05/14 00:00
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