咬合のエビデンス まとめ
この前の大会でランチョンセミナーを担当して、咬合のエビデンスについてしっかりとした見解を持てたことは意義があることだった。
歯科ばかりじゃなくて、どんな領域にあっても大勢と異なる意見を主張すると、強い風圧にさらされる。
それは当然で、主流派の主張には歴史的な積み重ねがあり、それが例え仮説にすぎなくても、強固な固定観念によって補強されている。
その固定観念を打破することは、とても大きな労力がいる。
いくら実証的・論理的に説明しても、それが理論であるうちは現在その主流派の仮説について問題意識を持たない人には、却って反発されるだけだ。
そして、双方ともにとても鬱陶しい関係になってしまう。
歯科においては、咬合、インプラント、矯正において、特に対立が強くあり、いがみ合うとまではいかないが、憂鬱な関係にある。
つまり、何をもって良い咬合とするか?インプラントは是か非か?抜歯してまで矯正すべきなのか?などが、主な対立点で、よく考えると、主義主張を争っている。
共産主義か資本主義か?どちらの神が正しいかのような対立で、主義主張の争いは戦争に至るほどの対立になる。
僕は、長い間この対立で苦しんできた。
仲間外れにされる。もしくは、意見が合わなくて、関係するのが鬱陶しくて避けるようになる。
この前から気が付いたのは、これは主義主張の問題であって、折伏して改宗させなくては済まない問題だから、関係がこじれるのだということだ。
キリスト教とイスラム教の争いのようなものなんだということ。
誰もそんな風には考えていなかったのじゃないか?
ところが、突然それは解決してしまった。
フットビューというME機器によって咬合が平衡機構であることが明確に証明されてしまうと、顎口腔系という局部の中でどこに基準を取るのが合理的か?などという主張には全く根拠がないことが自明の理になってしまったのだ。
科学的な真実が現れたので、主義主張は力を失った。
局部の生理性を別な局部の状態で証明することは不可能だから、これまでの咬合論の学派の主張には全く根拠がない。
これまでそのような主張に力があったのは、全体との関連の証明が可能だとは考えられなかったからでしょう。
全体の状態がバランスが取れていることをもって、そのバランスを制御する局部の機構の生理性の証明とすることには合理性がある。
つまり、犬歯誘導・中心位・筋肉位などの咬合様式や顎位は、とりあえず定めてみた基準の一つでしかない。
それが、生理的であるかどうかは、個々の患者さんで平衡が取れているかどうかを調べないと分からないということだ。
伊藤先生が言うように相手を非難してはいけないが、エビデンスがないだろう?というような主張には、完璧な反論が出来るようになった。
しかし、ただの受け売りじゃいけないので、フットビューでよく確認して、確信が持てるようにしましょう。
歯科ばかりじゃなくて、どんな領域にあっても大勢と異なる意見を主張すると、強い風圧にさらされる。
それは当然で、主流派の主張には歴史的な積み重ねがあり、それが例え仮説にすぎなくても、強固な固定観念によって補強されている。
その固定観念を打破することは、とても大きな労力がいる。
いくら実証的・論理的に説明しても、それが理論であるうちは現在その主流派の仮説について問題意識を持たない人には、却って反発されるだけだ。
そして、双方ともにとても鬱陶しい関係になってしまう。
歯科においては、咬合、インプラント、矯正において、特に対立が強くあり、いがみ合うとまではいかないが、憂鬱な関係にある。
つまり、何をもって良い咬合とするか?インプラントは是か非か?抜歯してまで矯正すべきなのか?などが、主な対立点で、よく考えると、主義主張を争っている。
共産主義か資本主義か?どちらの神が正しいかのような対立で、主義主張の争いは戦争に至るほどの対立になる。
僕は、長い間この対立で苦しんできた。
仲間外れにされる。もしくは、意見が合わなくて、関係するのが鬱陶しくて避けるようになる。
この前から気が付いたのは、これは主義主張の問題であって、折伏して改宗させなくては済まない問題だから、関係がこじれるのだということだ。
キリスト教とイスラム教の争いのようなものなんだということ。
誰もそんな風には考えていなかったのじゃないか?
ところが、突然それは解決してしまった。
フットビューというME機器によって咬合が平衡機構であることが明確に証明されてしまうと、顎口腔系という局部の中でどこに基準を取るのが合理的か?などという主張には全く根拠がないことが自明の理になってしまったのだ。
科学的な真実が現れたので、主義主張は力を失った。
局部の生理性を別な局部の状態で証明することは不可能だから、これまでの咬合論の学派の主張には全く根拠がない。
これまでそのような主張に力があったのは、全体との関連の証明が可能だとは考えられなかったからでしょう。
全体の状態がバランスが取れていることをもって、そのバランスを制御する局部の機構の生理性の証明とすることには合理性がある。
つまり、犬歯誘導・中心位・筋肉位などの咬合様式や顎位は、とりあえず定めてみた基準の一つでしかない。
それが、生理的であるかどうかは、個々の患者さんで平衡が取れているかどうかを調べないと分からないということだ。
伊藤先生が言うように相手を非難してはいけないが、エビデンスがないだろう?というような主張には、完璧な反論が出来るようになった。
しかし、ただの受け売りじゃいけないので、フットビューでよく確認して、確信が持てるようにしましょう。
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診査法と検証法8

まとめの考察をします。
これまで述べたように、咬合が生理的であるか否かを診査・検証出来るのは直立歯科医学の知見以外にありません。
その診査・検証法は現時点では3つですが、姿勢の写真による検証は診察時にその場で役に立ちませんから除いて、2つの方法を比較します。
触診は対象から直接情報を取ることが出来るから、一番間違いがないように思っていたが、そうでは無かった。
この2つの診査法を比べると、明らかにフットビューの方が上だ。
触診ではスウィング干渉はある程度期間が経たないと分からないが、フットビューはそれを即座に検出する。
シロナソは事情が分からず頭にきて放り出したが、フットビューを経験して、ME機器には中庸というものが無いことがよく解った。
善悪を決める女神の天秤ばかりと同じで、ほんの1gで跳ね上がってしまう。
だから、急に足裏重心が想定外に悪化してもショックを受けないで、冷静に分析することが大切なのだということも分かった。
ここで最後にもう一度確認したいのは、ME機器の性格のことだ。
僕は、以前書いた「シロナソワイフ」で詳しくシロナソの性格を分析したが、シロナソだけでは無くてフットビューもやはり奥さんのようにままならない。
いきなりキレる。
それをつらつら考えてみると、そもそも女というものは本質的にデジタルな存在なのだということに思い当たる。
善悪を決めるのが、なぜ女神なのか?それは、女のデジタル性によるものなのだろう?
男の場合は、必ず前後の関係性の中で現在の状況を判断してしまうが、女は瞬間でキレる。前後見境ない。
そうでなければ、善悪は決められない。
やはり、昔の人も苦労していたんだね~ゼウスも奥さんの機嫌をいつも気にしていたし・・・
教訓:デジタルな方に対しては、オタオタしたりカーッとなったりしないで、冷静に相手の言うことを聞いてあげなくちゃいけません。
すると、デジタルだから、すぐ機嫌が直る。
ここが、デジタルな方の愛らしいところです。
診査法と検証法7
診査法と検証法5

次に、右上にブリッジを入れます。右上4は少し動揺がありました。
補綴物が少し高かったのを咬合調整して、患者さんはOKと言いました。
①そこでフットビューを採ってみたら、やはり左後ろ重心でした。
顎位診断は右前下がりの右前顎位だったので、模型を動かして調べたら、ブリッジの②右上4の舌側咬頭が左後ろへのスウィングで干渉していました。
そこに③ビニールフィルムを咬ませたら少し重心が前に移り左重心だけになったので、スウィングリシェイピングしたところ、④真ん中重心になりましたので、ブリッジをセットしました。
⑤リシェイピングしたのはここの黒く塗ったところです。
これも、スウィング現象の知識とフットビューが無ければ、おそらく右上4のスウィング干渉のために、ブリッジの寿命は大幅に短くなることでしょう。
首と肩の触診では、補綴物装着時のその補綴物のスウィング干渉は分かりません。
顎位や高い低いは分かりますが、スウィング干渉はマイクロトラウマの蓄積なのか?少し日にちが経過しないとコリとして現れてきません。
ですから、補綴物の装着時の評価に関しては、フットビューが一番です。
前回、足裏重心がいまいちだったのに症状が取れたのは、顎位から考えなおしてみるとスウィングキーパーを確立できたからです。
スウィングキーパーを確立できると、対角線にある右上4のスウィング干渉も相対的に弱まったのでしょう。
それらが、触診や症状緩和の原因だと思います。
しかし、義歯を入れて触診でこっていなかったからと言って、これから先も大丈夫とは言えないということが明らかになった。
フットビューは、右上4のスウィング干渉による足裏重心の問題をリアルタイムに捉えていました。
そうして考えると、あまり強くないスウィング干渉を想定するなら、日常生活での膨大な干渉のトラウマによって初めて、徐々に肩こりに至るのでしょう。
しかし、その干渉によって、重心を定める下顎にストレスが加わるので頭位は即座に微妙に悪くなり、直立を維持することは即時の調節なので、足裏重心に即影響してフットビューのデータに出るのでしょう。
たぶん、何も調整しなかったならば、右上4のスウィング干渉が徐々に効いてきて、日にちが経過すると触診でこりが分かるようになり、そのうちに腰痛などの症状が出てくることになりそうです。
その後には、4番の抜歯が続き、ブリッジのやり直しから、しだいに局部義歯に移行していくでしょう。
私が、それまで唯一の拠り所に近く頼りにしていた触診に落とし穴があったことが明らかになりました。
ショックだな~
しかし、真実を求めているんだから、一歩前進したことを喜ばなくては・・・
どうなんでしょうかね?日常の診療は、ほとんどこのようなものです。
犬歯を治療しないのに犬歯誘導など出来ませんし、片顎の補綴に咬合様式は意味を持ちません。
こんな一部しか治療しないのに中心位や筋肉位がなんの役に立つのでしょう?
絵に描いた餅というのは、このような理論のことを言います。
結局今までは、咬合紙以外には頼りになるものは何もなかったようなものです。
本当に大切な、いつも使える基準は別のところに有ったのです。
診査法と検証法4

例えば、ある患者さんの、通常の歯科治療へのフットビューの応用について話します。
初診時のX線を示します。
左下のブリッジの支台歯の6番が歯根破折していて、また右上5が歯周病で動揺がひどくて抜歯になりました。
その後歯周治療して、欠損部を補綴します。

まず、左下に局部義歯を入れることにしましました。
①欠損のままの時はフットビューのデータは左後ろ重心でした。②義歯を入れたら、少し回復しました。
次回、少し義歯に当たりがあり、③咬合調整して義歯は合いましたが、やはり左後ろ重心が残っています。
だから、少し左足を引いてますね。
触診での肩こりは取れました。腰痛も感じなくなったと言います。
身体症状は緩和しました。
しかし、フットビューのデータは、いまいちです。
この機器が全てだとも思えませんし、その他の咬合条件からかんがみて、まあ、この辺で手を打つしかないのかな~と考えました。
後でよく考えてみると、データと触診との違いには、論理的に説明できる因果関係がありました。
それは、この後で。