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ウズベキンカン 3

ツアーの添乗員に後で確かめたところ、このような金冠だらけの風習があるのは、ウズベキスタンと中国の新疆ウイグル自治区だけだという。
中央アジア方面全体がそうなわけではなくて、元々は同じ民族であるウズベキスタン人とウイグル人が特に金冠を好むのだそうだ。
また、大きな金鉱脈があって、たくさん金が算出するらしい。

どうも、お嫁さんが婚家で大事にされていることの証であるようで、それは奥さんとしては自己肯定そのもので、これほどの自慢は無いのではないか?
欧米式は、とにかく勝つか負けるかを夫婦の間にも徹底的に持ち込む。ホントに、品格が無いよね~

日本でも同じような目的で金冠が入れられていたようにも思える。
しかし、日本では主に側切歯に開面金冠を入れることが多かった。せいぜい多くても2~3本だ。
ところが向こうは獅子舞のようにすべての歯が金冠。開面金冠は見なかったな~全部金だ。
あられちゃんがわーいした感じなんだけれど、中央アジアの蒼天の強い日差しの下で、日本の矢絣のような模様の着物なんだけど、ラメが入ったりしていて派手なので、妙に調和してあまり違和感が無い。
日本のような、少し控えめにして・・・などということは無く、派手に目立つのが良いようだ。
やはり、湿気が多い陰影礼賛の日本と、カラッと蒼天の風土の違いによるものだろう。

ソ連時代は宗教は禁止されていたようなのでその影響だろう、チャドルなどはかぶったりせず、豚肉を食べたりする人も多く、トルコに似た世俗的なイスラム信仰のようだ。
しかし、結婚前は化粧をしたり眉を細くしたりしてはいけなくて、結婚するまでは処女でいなければいけない。
なごり雪を大切にする。
そして、結婚するとすべて解禁となって、ピカピカの奥さんになるわけだ。
異性と付き合うようなら必ず結婚しなくてはいけない様だ。
そもそも、ふしだらなこととされていて、きちんと見合いして結婚するのが望ましいとのことだ。
これなら、みんな早く結婚したいはずだ。昔の日本みたいだ。
これが、種を保つための知恵で、人類が作りだした道徳だったはずだけれど、とにかくたちの悪い白人によって全て破壊されて、聖書に書いてあるとおりにハルマゲドンに向かっているんだろうね?

僕は奥手で若いころ惨めだったから、どちらかと言うとそのような風習の方が望ましかったな~
昔は仲人を生き甲斐にしているおせっかいで親切なおばさんが沢山いて、そういう恋愛に要領が悪い男女に手を差し伸べてくれた。
昔のおばちゃんたちはえらかったな~よその家の子も自分の子と思っている感じだった。
最近の若い人は気の毒だ。晩婚化は、みんなが大学に行くようになったのと、仲人おばさんの消滅によるものだろう。
商業主義が、手を変え品を変え若者の欲望に火を付けるが、グラビアやCMのように上手くこなせるはずもない。
世代が替わったからといってイタリア人じゃないんだから、そんなにホイホイと恋愛上手になるものでもないだろうし、途方に暮れている若者が沢山いるんじゃないかな~

 ベッキーよ泣くのはやめて!リンゴを食べた2人のせいなんだから。


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昔の歯医者の思い出 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/05/26 00:00

ウズベキンカン 2

帰ってきてから気がついたことだが、金冠は既婚の中年以上の女性だけしか入れていなかったような気がする。
若い女性や男の金冠は見たことがなかった。
若い女性は、ソ連が崩壊して1991年に独立してから生まれているから世界のファッションを知っているので、おばさんぽくてダサいと思っているのではないか?
男に金冠が無かったように思うのは、ホントのむし歯には被せたはずだが、むし歯でもないのにわざわざ飾りでは被せないからだろう。

トルキンさんという愛国者の良いガイドが付いていた。
ウズベキスタンの結婚事情を愛情を持って紹介してくれた。

結婚年齢は男が二十代前半、女が二十歳以前。それを過ぎると、売れ残りとなって焦るという。
7割以上が見合い結婚。仲人がいて、家柄を第一の判断基準にして新郎側の親と相談する。
特に重視するのが、家の中や周りが散らかっていないかどうかだという。だから、街があんなにきれいだったんだ!
親が良いと判断したら息子に勧めて、OKしたら娘の親に話を持っていく。
受けるか?ことわるか?は、親が決めるそうだ。昔は、娘の親が全部決めたらしいが、最近は最終的に娘の同意によるらしい。
若い娘が望ましくて、それは、子供を生むことが一番なのと、あまり人格が出来上がってしまうと婚家になじみずらくなるからだという。嫁姑のトラブルを避ける知恵だ。
まるで、日本の昔と同じだ。

思えば、西欧の個人主義によって、日本の家庭は破壊された。
30過ぎで結婚して、不妊や高齢出産に苦しみ、核家族でおばあちゃんにみてもらえないから保育園が足りない。
そして、最近は離婚→母子家庭。両方とも年齢も社会経験も豊富になって人格が確立しているんだから、ぶつかって分解しやすいのは当たり前だ。芸能人がほとんど離婚するようなものだろう。
どうも、気のせいか最近は母子家庭のお母さんが一番幸福そうに見える。
気楽だものね~共稼ぎがほとんどだから、自分の仕事だって家事だって何も変わらない。それなら、子どもと2人だけの方が楽だわ~
僕に最初の子供が生まれたとき、親友が僕の顔を見て、「そうか!子供が子供を生むんだ!」と叫んだのが忘れられない。
その時、僕は30歳だったのだけれど、子供だった。子供が出来ないと、凡人は大人になれない。
結婚のような人生でもっとも大切なことを、子供の好きにさせるから問題が多発するのだろう。


ウズベキスタンは、高度成長の真っ只中のようだ。
必ず、徐々に日本と同じ家族崩壊に向かうんだろうな~

また一首

 お嫁さん キンキラキンの奥さんに 家は豊かで大事にされてる

ウズベキンカンは、その証なんじゃないだろうか?
獅子舞のように全部キンキラキンの方が自慢なのだ。
良風美俗だと思う。
ウズベキスタンで歯医者をやりたいぐらいだ。
でも、もう金冠を入れる人は激減しているだろうし、昔の技術だから僕は入れたことが無い。

サマルカンドの博物館のあでやかに笑う受付のおばさん
         サマルカンドの博物館のあでやかに笑う受付のおばさん。
         歯もネックレスもブレスレットも指輪も金だ。ピアスも目立つな。
         まさにキンキラキン!
         



昔の歯医者の思い出 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/05/21 00:00

ウズベキンカン

もう一首

エ!キンカン?ウズベキスタンドナイシタン?キンカンダラケウズベキンカン

       土産物売りの素朴なおばさん
        シャフリサブスの土産物売りの社交的なおばさん
        真ん中だけ被せないで白いのは、目立ち狙いのアクセント?

       土産物売りの社交的なおばさん
        シャフリサブスの土産物売りのわりと素朴なおばさん
        獅子舞金冠

おばさんたちは、みんな歯並びがいいね。正中離開もけっこういた。
若い子たちには、叢生がたくさんいた。

昔の歯医者の思い出 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/05/16 00:00

ウズベキスタンの素敵な金冠

ゴールデンウィークにウズベキスタンに行ってきた。
アフガニスタンに国境を接しているのでビビりながら行ったが、治安がどうのなどということはなく、スリや泥棒も居そうになく、街や田舎も清掃が行き届いていて、人懐こく笑顔ではにかみを持ちすれていない。
物乞いもほとんど居ないし、2~3人居たのは他所から来たジプシーらしい。
みんな仕事が大好きで、家族のために仕事を選ばず働くから失業者は1%未満だそうだ。
まるで昔の日本のようだった。

何より驚いたのは、料理が美味しいこと。
最初に漬け物風のサラダ、次にスープ、そしてメインの肉料理とパターンは決まっていたが、どれもやわらかい味わいですばらしく美味しい。
野菜が多いし、しょっぱかったり辛かったりすることがなく、上品な味だ。
特にスープがすばらしく、澄みきったコンソメみたいなのからポタージュやボルシチまで種類が多く、高級なフレンチに劣らない。
大変な美食の国であることが分かった。
食べすぎて、4キロ太ってしまった。

そして、みなにっこりと笑顔だが、ずらっと金冠が並んでいるのだ!これはビックリ。
昔書いたことがある獅子舞金冠。(獅子舞金冠 2010/11/06 )
写真を撮られるのが大好きで、自分から撮って撮ってと寄ってくる。
そして、口を手で隠したりせずニコッと笑う。キンキラキ~ン!
金冠が自慢なのだ!そうでしょう、そうでしょう。(お礼に金冠 2010/11/07 ) 
僕は、金冠に特別な思い入れがあるから、抱きつきたいほどうれしかった。(だて金冠 2010/11/05 )(木造モルタルと鉄筋コンクリート 2010/11/08 )(無縫冠はなんてすばらしかったんだろう~ 2010/11/16)(無縫冠はなんてすばらしかったんだろう~ 続き 2010/11/18 )

空は晴れ渡り湿気が微塵もなくカラッとしていて、爽やかなそよかぜが吹く。

そこで一首

 爽涼のサマルカンドにさんざめく金冠たちの懐かしき顔

ちょっとベタですが。

サマルカンドのモスクで思いがけなく再会
        ブハラのモスクで出会った楽しそうなおばあさんたち
        真ん中の小さくて痩せてるおばあさんは無歯顎で入れ歯を入れてなかった

ブハラのモスクで会った幸福そうなおばあさん
           サマルカンドのモスクで思いがけなく再会

2人とも獅子舞金冠(全部の歯が金冠)
           三人とも獅子舞金冠(全部の歯が金冠)

ちょっと写真がアップじゃないので分かりずらいですけど・・・
少し太りすぎているのを除けば日本のおばあさんたちに似ていませんか?


昔の歯医者の思い出 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/05/11 00:00

和紙の咬合紙

父は、一発で入れ歯を入れることが出来ていた。
僕は、父の亡くなった歳をはるかに超えているが、まだ叶わないな~
横で見ていたにもかかわらず!

入れ歯だけは、昔の歯医者の方が上手かったのか?
たぶんそうだ。
昔は、ティッシュコンディショナーも、フィットチェッカーも、調節性の咬合器も無かった。
それなのに、一発で仕上げることが出来たのは、ゴッドハンドだったのか?
まあ、父のレベルだとそうだろう。
印象材が良くなかった昔は、フラビーガムなんかは石膏をトロトロに練って、スパチュラで口の中に次々と投げ入れて型を採っていたそうだ。
患者さんは座っていて、その上顎に少しずつ投げ入れた石膏が垂れることなく留まっている。トレーは使わない。
完全無圧印象。

じつは、今となっては秘密兵器ともいえるものがあった。

 それが、和紙の咬合紙だった。

? 若い先生たちは、何を言っているのかさえ分からないだろう。 
この、今は無い咬合紙こそが、昔の歯医者が今の歯医者より上手かった秘密兵器だったのだと思う。
ものすごく厚い咬合紙だ。
指で持ったりしたら、指が真っ赤とか真っ青とかに染まる。
インクがジュッと滲み出る感じだ。スタンプ台みたいなものだ。

こんな話を聞いた。
加藤武彦という総義歯の大家のセミナーでの話。
この先生は、河邊清治という、その昔の総義歯の大家に師事していた。

 みなさん。なぜ義歯の咬合調整のことを選択削合というか知っていますか?
 それは、和紙の咬合紙を咬ませると、人工歯が全て真っ赤に染まります。
 その、全て真っ赤に染まった中から、どこを削ってどこを残すのかを、誰も分からない基準で選択するからなんです。

まあ、これは大げさだ。
かすかに濃淡が出る。
左右の差、前後の染まる面積の違い。
それを見ながら、高さの違いを判定して削合する。
すると、どうしても少し平坦な人工歯の面が並ぶことになる。
その平坦な面の連続が、却って総義歯を安定させる力を持つ。

父は、その咬合紙の真っ青なものを好んで使っていた。
ホルダーではなくて、ピンセットを二個使って左右に咬ませていた。
厚くて弾力があるので、微妙に前後左右の立体的な等高線のような染まり方が見えるのだろう。僕には見えなかったけれど。
これこそが、頭の前後左右の平衡を計る天秤だった。
基礎床もワックスで、咬合高径は平線咬合器上で後ろのねじを回して調節していたぐらいだから、最後の咬合調整ですべてアジャストしていたはずだ。
この咬合紙が無ければ無理だったと思う。

今はもう、その咬合紙は売っていないのじゃないか?
20~30年前には、太田咬合紙というのが一つだけあったらしいが、今もあるかな~
しかし、似たようなものが売っている。
フィードという歯科の通販で扱っている、「プログレス100」という100ミクロンもある厚い咬合紙。
十分代用できる。
僕は、少し咬合のずれが大きい時には、これを先に使う。
削る量が立体的に分かるから、とても効率的に削合できる。
昔の歯医者の思い出 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/11/10 00:00
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